【上海モーターショー15】北京汽車のマイクロEVコンセプト、その正体は!?

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北京汽車が公開した『EXコンセプト』は2人乗り電動マイクロカーの提案。しかし世界のマイクロカー事情に詳しい人ならば、これがコンセプトカーなどではないことは、ひと目でわかったことだろう。

実はEXコンセプトの正体は、イタリアのタザーリという企業が製造し、『ZERO』あるいは『EM-1』という名称でヨーロッパ市場を中心に販売している電動マイクロカーなのだ。ただし中国ではまだ発売されていないため、「コンセプト」を名乗っていてもおかしくはない。

ではなぜ、北京汽車のモデルとして展示されていたのか? 残念ながら、これについては北京汽車もタザーリも、なにも声明を出していない。しかしある程度の推測は可能だ。

実はタザーリは「自動車メーカー」というよりも、「グループで手がける事業のメリットを活用して、マイクロカー事業にも進出している」と言うほうが正しい。タザーリ・グループは大きく分けて2つの事業を展開。ひとつはアルミ部品の製造と、その加工技術の開発。もうひとつは建設機械、産業用機械、エンジニアリング設備等の技術開発だ。

つまり自動車開発にも関連するさまざまな業務を手がける企業グループであり、まだR&D技術が未熟な自動車メーカーに提供できるものはたくさんあるわけだ。しかも北京汽車グループには大型トラックや特殊車両を手がけるメーカーもある。こうした領域でのビジネスの延長線上に、マイクロカーの提供があってもおかしくはない、というわけだ。

こうした協力関係がベースにあれば、タザーリ車をアレンジして「自主開発モデル」とするのはおかしな話ではない。タザーリ側にとっても、中国の大手メーカーに資金を提供してもらい、新型車を「共同開発」するというのは悪くない話だろう。この推測が正しいかどうかはわからないが、お互いのメリットは大きいはずだ。

EXコンセプトは2016年に発売予定ということだが、中国ではすでに、電動マイクロカーを販売する自動車メーカーがいくつか存在する。マイクロカーの本場はヨーロッパだが、いずれはこの領域でも中国メーカーが存在感を見せるようになるのかもしれない。

《古庄 速人》

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