モーターショーは世界中に数あれど、バンコクモーターショーは他とは違う独特の雰囲気を持つ。VIPデーを取材している最中、それを実感する光景に遭遇した。
それはVIPデーである23日15時前後のことだった。会場の中央では何やら多くの人が集まり出したのだ。何が始まるのかと気を配っていると、そこには女性騎士を乗せた白馬が登場したではないか。さすがにこれには度肝を抜かれた。
モーターショーの会場で馬が登場するなんていまだかつて聞いたことがない。しかも、馬は女性の教えに従うかのように華麗なステップを踏み出した。そう、ヨーロッパでよく見られる古典馬術ショーがショー会場内でいきなり始まったのだ。
実はこのイベント、主催するショーのプレジデントであるプラチン・イアムラムナウ氏の誕生日を記念してのことだった。会場では一定の距離を保ちつつもその周囲は当然のごとく黒山の人だかり。その中を馬が華麗にステップを踏んでいく。その様子を見て会場内は大きな拍手に湧いた。この間、数分の出来事だった。
そして、その興奮が醒めやらぬまま、今度は各出展社のコンパニオンが列をなしてプラチン氏に挨拶するイベントへと移った。これがとにかく長かった。おそらく全出展社のコンパニオンがすべて並んで挨拶していったのではないか。そう思わせるほど、延々と挨拶のイベントは繰り返されたのだ。これが終わると、今度は各出展社からのプレゼント贈呈。見ている方も、この壮観さには圧倒されっぱなし。
続いて、しばしその場でフォトセッション。この一連の対応を終えたプラチン氏を含めた一行は場所を移動した。これでイベントは終わったものとこの場を離れると、会場内は“ハッピーバースデー”の曲が流れ始めた。そう、場所を離れたことで撮影を逃してしまったが、聞けばプラチン氏のバースデーケーキが用意されてお祝いが行われたのだという。
まさに他のモーターショーでは絶対見られない、そんな会場の一コマだった。