ランドローバー人気の秘密を探る…伝統と技術が生み出す「最高の走破性能」とは

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「Above&Beyond(アボーブ&ビヨンド)」のスローガンを掲げ、あらゆる路面で高い走行性能を発揮するプレミアムSUVブランド「ランドローバー」。同社の歴史と最新テクノロジーを雪深き志賀高原で味わう機会を得た。伝統とテクノロジーに裏打ちされたランドローバーの魅力に迫る。

◆戦後の荒廃した大地から誕生し、オフロード車のリーディング・ブランドへ

今やプレミアムSUVとして世界中で絶対的な地位を確立しているランドローバー。その歴史は第二次世界大戦後の1948年よりスタートした。戦争で世界中の大地が荒れ果ている中、ローバー社は荒廃した土地でも活躍できる4WD車両「ランドローバー」を開発する運びとなった。

そんなランドローバーの生みの親が、ローバー社の技術部門を務めていたモーリス・ウィルクスとその兄のスペンサー・ウィルクス。ランドローバー最初のモデル『シリーズI』はこの二人によって生み出された。シリーズIは大戦中に使用されていたアメリカ製のジープをベースに開発され、現在は『ディフェンダー』がその系譜に当たる。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン マーケティング・広報部の須藤博氏は「ランドローバーの誕生以降、一貫してオフロード分野でのリーディングブランドとして技術を追求して確固たる地位を確立してきた。ディフェンダーに代表されるように、ずっと同じ車を作り続けるというのがランドローバーの特徴」と述べる。

◆バリエーションとキャラクター

そんなランドローバーに大きなターニングポイントが訪れたのが1970年。それまで培ったオフロード性能に加え、乗用車的なラグジュアリーさと快適性を加えた『レンジローバー』が誕生した。

現在では数多くのSUVが存在するが、その源流に当たるのが同車といっても過言ではない。初代レンジローバーはアメリカで人気を博し、プレミアムSUVとして確固たる地位を確立した。

その後、1989年に『ディスカバリー』がデビュー。これにより、現在の「レンジローバー」「ディスカバリー」「ディフェンダー」の3つのブランド構成が完成した。その中でも、レンジローバーは「Refinement(洗練性)」、ディスカバリーは「Versatility(多用途性)」、ディフェンダーは「Durability(頑強性)」を重視し、それぞれのブランド毎にキャラクターを分けている。

◆あらゆる路面で最高レベルの走行性能を実現する、ランドローバー社のテクノロジー

いたずらに車種バリエーションを広げず、須藤氏が述べたように一貫して同じ車を作り続けるというのがランドローバーの特徴だが、今なお多くのファンに愛されているのが、その独特の乗り味だ。

高い視点から見下ろすような「コマンド・ドライビングポジション」はランドローバーの特徴の1つ。オフロードでの走行では、車両の見切りが非常によくクルマの状況を把握しやすい。須藤氏によると「オンロードでは遠くまで見通すことができるので、運転時の疲労度の軽減にもつながる」とのこと。

豊富なサスストロークを生かしたゆったりとした乗り味もランドローバーならではの特徴だ。起伏のある路面でも接地性が高く、須藤氏は「オフロードでも快適に乗れるというのがランドローバー」と語る。

さらに、エアサスペンションを装備するモデルには「クロスリンク・エアサスペンション」と呼ばれるシステムを搭載する。これは、左右のエアサスをバルブで繋ぎ、片方のサスペンションが押し上げられると反対側に押し下げる力を発生させるシステムで、リジットアクスルのような動きでタイヤの接地性能を引き出す効果がある。この機能、路面がオフロードかどうかをクルマ側が勝手に認識し、オンロードでは自動的に解除され乗り心地を確保してくれる。

現在では多くのクルマに搭載される「電子制御式トラクションコントロール(ETC)」。ランドローバーのETCは介入のタイミングが早く、必要以上に地面を荒らすことがないためスムーズな走行が可能となる。悪路を知り尽くした老舗オフロードメーカーならではの設計思想と言えそうだ。

◆伝統を守りながら、さらなる高みへ、どこまでも先へ

須藤氏は「オフロードに限らず、オンロードでも最高の走行性能を誇り、さらにそれをどこまでも高めていこうというのがランドローバー」と話す。これまでの歴史を振り返ると、ターニングポイントとなるのは、前述したレンジローバーの登場した1970年と、ディスカバリーの登場した1989年、さらにはレンジローバー『イヴォーク』が発表された2011年だろう。イヴォークは発売以来、累計生産台数40万台を超えるヒット作に。日本でも昨年3000台程度を売り上げ、台数的には同社の根幹を成すモデルへと成長した。

さらにランドローバーは、一度掴んだ成長への手綱を緩めない。2014年、ランドローバーはディスカバリー・シリーズに『ディスカバリー スポーツ』を新たに追加、日本でも夏前には販売が開始される。

このモデル、2.0リットル4気筒直噴ターボエンジンに、イヴォークで好評の9速ATを組み合わせ、5+2のシートアレンジや最新の安全装備、ドライバー支援システムを装備。高い商品力で、2015年の販売に弾みをつける。

さらに、先日閉幕したばかりのジュネーブモーターショー15では、エクステリアからエンジンまで大幅変更が加えられた新型イヴォークが披露されるとともに、コンバーチブルも追加されることが発表された。

走破性、伝統はきちんとを継承しながらも、時代の要求に的確に応えていくという、ランドローバーの姿勢の表れと言えそうだ。

《橋本 隆志》

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