日本民営鉄道協会(民鉄協会)と青い森鉄道の2者は3月4日、地方の鉄道事業11社が参加する「使用済きっぷ共同リサイクル」の実証実験を実施すると発表した。
2者によると、大都市圏の鉄道では使用済み切符のリサイクルが進んでいるが、地方の鉄道では排出される使用済み切符の量が少ないため、リサイクルの実績も少ない。また、裏面に磁気記録面を持つ切符(磁気券)の場合、磁性体の分離技術を持つ製紙工場まで運ぶ必要があり、そのコストが割高であることもリサイクルが進まない一因になっているという。
一方、青い森鉄道では2014年1月から、使用済みの切符をトイレットペーパー原料の一部としてリサイクルする取組みを、名古屋鉄道(名鉄)子会社の名鉄協商と共同で進めている。今回の実証実験では、青い森鉄道と名鉄協商が構築したリサイクルモデルを拡大する形で実施。青い森鉄道は地方の鉄道事業各社に呼びかけて参加者を募集し、名鉄協商は製紙工場などへのルートを開拓する。
これに伴い参加各社は、使用済み切符回収ボックスの共通化、事業者窓口の一本化などの連携施策を実施。これによりリサイクル製品の購入と紙資源の回収を一体化させ、コストダウンと事務の効率化を図るという。
実証実験は3月6日から31日まで実施。青い森鉄道・仙台空港鉄道・山万・秩父鉄道・富士急行・豊橋鉄道・三岐鉄道・京福電気鉄道・和歌山電鐵・一畑電車・熊本電気鉄道の11社が参加する。実験終了後は地方民鉄の各社に成果を報告し、11社以外の鉄道事業者にも参加を呼びかけるという。