5日、日産およびニスモは、今季久々にワークス参戦するルマン24時間レースにおいて、昨年のSUPER GTシリーズGT500クラスチャンピオンである松田次生を起用することを発表した。松田はLMP1クラスの「Nissan GT-R LM NISMO」に乗り組み、ルマンに挑む。
ルマン24時間を含むシリーズ戦、世界耐久選手権(WEC)の最上位クラス「LMP1」に今季からワークス参戦する日産/ニスモは、先日、参戦マシンの「Nissan GT-R LM NISMO」を発表し、ドライバーのひとりにルマン総合優勝経験者のマルク・ジェネが決定したことも公表。そしてこの日、フランスで開催されたWECおよびルマン24時間のプレスカンファレンスに併せ、自陣ドライバーをさらに3名、追加発表した。
日産勢の今季LMP1クラスにおけるカーナンバーと“登録第1ドライバー”は以下の通り(WEC&ルマン24時間プレスカンファレンスでの映像より)。
#21 松田次生
#22 ハリー・ティンクネル
#23 オリビエ・プラ
上記のうち、WECに通年エントリーするのは#22と#23の2台。松田の名が登録されている#21はルマン(WEC第3戦/6月13~14日決勝)のみの参戦となっている。ジェネがどのマシンに乗るのかは現段階で明らかではなく、残り5名(ルマン参戦時、各車3名で総勢9名)のドライバーについても発表は後日となる。
現在35歳の松田は07~08年にフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)を連覇し、昨年SUPER GTのGT500クラスでも初タイトルを獲得した、日本のトップドライバーのひとり。近年はWECのLMP2クラスにも数回参戦するなどして、ルマン挑戦の足がかりを築こうとしていた。日産の主戦ドライバー陣に加わって10年目の今季、待望のルマン挑戦を日産とともに果たすことが決まり、以下のような意気込みを語っている。
「Nissan GT-R LM NISMOでルマンに参戦できることを、とても光栄に思っています。ルマン24時間は子供の頃からの憧れでした。世界屈指の過酷なレースであることは分かっていますが、だからこそ挑んでみたいと思いますし、この挑戦に臨む機会を与えてもらったことにワクワクしています。出場するからには、良い結果を収められるよう全力で頑張ります」
松田は昨年、日産/ニスモでGT500クラスタイトルを獲得しているが、現時点でのLMP1カーでの今季参戦レースはルマンのみなので、おそらくSUPER GTでは今季も日産陣営で連覇を目指し戦うものと推察される。
#22のティンクネルと#23のプラは、いずれも近年、WECや欧州ルマンシリーズなどのLMP2クラスで活躍してきたドライバー。ニスモのグローバルヘッドオブブランド・マーケティング&セールスであるダレン・コックスは、「日産で活躍を収め、若さと経験の両方を兼ね備えたドライバーを日産ファミリーから選りすぐりました」と、松田を含む3人の起用経緯を述べている。
なお、WEC/ルマン24時間のプレスカンファレンスで発表されたエントリーリストによれば、今季のLMP1クラスのWEC通年参戦は11台で、ルマンではこれが14台に増える。このうちハイブリッド車で挑む自動車メーカーワークスは通年8台、ルマン時11台。日産、トヨタ、アウディ、ポルシェが各2台を通年参戦させ、ルマンではトヨタ以外の3陣営がそれぞれ3台目のマシンを登場させる。