【スーパーフォーミュラ】佐藤琢磨も岡山テストでSF14初走行…「軽やかでクセなく楽しい」

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SF岡山テスト初日終了後に、SF14のインプレッションを語る佐藤琢磨。
  • SF岡山テスト初日終了後に、SF14のインプレッションを語る佐藤琢磨。
  • 佐藤琢磨がドライブしたホンダのテストカー。
  • 小林可夢偉はチームルマンのマシンで、2日間とも総合トップタイム。
  • マシンに乗る準備をする可夢偉。
  • バゲットはナカジマの2台のSF14を乗り換えながらテストメニューを進めていた。
  • 海外のフォーミュラで修行を重ねた若手、桜井孝太郎がリアルレーシングのマシンをドライブ。
  • 07~08年チャンピオンの松田次生は今回、KCMGのマシンをドライブ。
  • 岡山では来季、久々に国内トップフォーミュラの実戦が実施される。

11日、岡山国際サーキットで開催されていたスーパーフォーミュラ(SF)のテスト走行が終了した。このテストには話題の小林可夢偉に加え、現在はインディカーを主戦場とする佐藤琢磨も参加していたが、彼もSF14というマシンに好印象を抱いたようだ。

テスト2日目は雨の影響を受けることなってしまったが、終日ドライコンディションに恵まれた初日(10日)の走行後、琢磨の表情と声は実に明るかった。ホンダのテストカーをドライブしての第一声は「すっごく、楽しかった」。

琢磨は2012~13年にスポット参戦の経験はあるが、今季導入のマシン「SF14」は今回が初ドライブ。「以前のSF13(旧名FN09)とはまったくの別物で、スペックからして軽いし、見た目も最近のトレンド風で、(山本)尚貴や伊沢(拓也)から『動きはいいですよ』という話は聞いていたんですが、実際に乗ってみると本当に動きは軽やかだし、クセがなくて、分かりやすいクルマでした。タイヤがニューでなくなっていった時のタイムの落ち込みも少ないと思いますね」。

セッティング変更に対する反応も良く、「混乱しないクルマですね」とSF14を絶賛する琢磨だが、一時代を支えたSF13へのフォローも忘れないところが彼らしさでもある。「SF13は(速いけど)高速域と低速域でのダウンフォースの発生量が大きく違うなど、非常にスペシャルなクルマで、車重も重かったですからね」。あくまで車両の個性の違い、というところだが、SF14導入に際してはクイック&ライトをコンセプトとしたJRP(シリーズ運営団体)の方針が成功していることが、日本きっての国際派レーシングドライバーである琢磨にも実証された格好だ。

今回はやはりターボエンジンを使っているインディカーでの経験を踏まえて、ホンダからの依頼によるテスト参加だが、来季、2年ぶりのSFスポット参戦を期待したくなるところ。可夢偉同様、琢磨のピット周囲のファンの数もひときわ多かった。「速くしていくプロセスが楽しいクルマですからね」という口ぶりと、「全力投球するインディのシーズン中は(SFスポット参戦の可能性は)ないですね」とのコメントからは、インディよりシーズンの終了が遅いSFの終盤戦登場への意欲も感じられる。もしかすると、可夢偉とのトップフォーミュラ実戦初対決の可能性もあるかもしれない。

テスト2日目の午前午後総合の各選手のベストタイムは以下の通り。いずれも午後のタイムがベストとなっており、午前のベストタイムはヤン・マーデンボローがマークした1分32秒482だった。タイムから見る限り、午後はトップタイム比でドライ(前日)の約4秒落ち水準まで路面状況が回復したようである(ドライ用タイヤも使えたと思われる)。

8  小林可夢偉(チームルマン・トヨタ) 1分15秒151
00 中嶋一貴(テストカー・トヨタ) 1分16秒558
20 ヤン・マーデンボロー(インパル・トヨタ) 1分17秒498
18 松田次生(KCMG・トヨタ) 1分18秒257
05 佐藤琢磨(テストカー・ホンダ) 1分18秒442
3  佐々木大樹(KONDO・トヨタ) 1分18秒588
31 ベルトラン・バゲット(ナカジマ・ホンダ) 1分18秒589
11 桜井孝太郎(リアル・ホンダ) 1分20秒223
2  ファビオ・ライマー(無限・ホンダ) 1分21秒558
10 金石年弘(リアル・ホンダ) 1分23秒951
※左端は車番。00と05以外のカッコ内はチーム名・エンジン。タイヤは全車ブリヂストン。バゲットはナカジマのNo.32でも走行したが、ベストはNo.31で記録。

今回のテストの舞台となった岡山国際サーキットでは来季(2015年)、同地7年ぶりとなるこのカテゴリーの公式戦が5月23~24日にシリーズ第2戦として開催予定となっている。このコースの印象については、まったくの初走行だった琢磨、ライマー、SF14でここを走るのが初めてだったバゲット、可夢偉らは一様に好印象。最近のF1コースに多いランオフエリアが舗装路中心のコースと違い、「コースを外れたらグラベルにつかまってしまうのでミスできない緊張感がある」という点が特徴として挙がっていた。

《遠藤俊幸》

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