【佐賀バルーンフェスタ14】新ASIMO号で上空800m、静寂の世界へ…飛行試乗記

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2014佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
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10月31日~11月3日に開催された「2014佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。ホンダは1990年より同大会に協賛し、1993年からは「熱気球日本グランプリ」を全4戦でスタート、1995年からは「熱気球ホンダグランプリ」と名を変え、今年は全5戦の日程で開催されている。

大会には100以上の競技バルーンが参加したが、それ以外にもイベント試乗用の係留バルーン、オブザーバーとして参加するオフィシャルバルーンなどがある。その中の「New ASIMO」号(オフィシャルバルーン)に試乗する機会を得た。

今大会で初飛行となるNew ASIMO号は、バスケットから球皮の全高が約21m 、横幅が約18mという大きさ。バルーンは飛行時間が合計300~350時間を超えると、バーナーの熱で球皮が消耗し、空気が漏れやすくなる。車でいえば燃費が悪くなるのだそうだ。先代のASIMO号はフリーフライトを7~8年ほど務めた後、会場での係留バルーンとして活用されている。

また、バルーンは一人だけでは飛ばせない。パイロットと地上で追跡車両(チェイサー)に乗って追跡するクルーの4~5名でチームが構成される。操縦してくれたのはオフィシャルバルーンパイロットの越井馨さんだ。

競技の準備は早朝のまだ薄暗いうちから始まる。燃料のプロパンガスをバーナーで燃やし、New ASIMO号へと送り込む。午前6時半、程なくして形をなした熱気球に乗り込むと、あっという間に上昇していった。する音と言えば、時々焚かれるバーナー音だけ。重力を感じることもなく、何とも静かに空へと舞い上がる。

熱気球は風に乗って移動しているため、基本的にその抵抗を感じることはない。越井さんによれば「上空には層によって異なる風が流れています。乗っている人が風を感じる時は、その境目に差し掛かった時。高度を変えながら自分の乗りたい風を見つけ、方向を変えます」とのこと。

パイロットはGPSと地図アプリを駆使し、現在地を把握している。越井さんは一般のアンドロイドタブレットに専用のアプリをダウンロードし使用していたが、Googleマップを使っているパイロットもいるそうだ。風向きは、離陸前に紐を付けてた風船を上空に放ち確かめたり、他の気球の動きを見ながらチェックするのだという。経験と感覚も重要なポイントだ。

静寂の中、佐賀の景色を上空800mから見渡す。会場の北西には標高約1050mの天山を臨むことができた。気球が山の方へ行ってしまったらどうするのか? と尋ねると「山は超えれば着地する場所があるのでどうにかなります。海の方へ行ってしまった方が怖いですね」と話した。

1時間半ほどのフライトを経て、刈り入れの終わった田んぼへと着陸。近所の人々がASIMOを見つけ、撮影しにやって来た。全高21mの球皮をたたむのはかなりの力仕事。見物に集まった子どもたちにも手伝ってもらいながら、空気を抜いていく。バーナーや支柱棒は分解してバスケットにしまう。終わってみれば全てバンに収まってしまう大きさなのだ。

フライトを終えて、越井さんは「今日は雨が心配でしたが、無事に飛べて良かった。新しいバルーンだったので、レスポンスが良く、上昇・下降に時間がかからなくなった」と述べた。また、同乗した女性は「最初は高さに足がガクガクと震えたけれど、そのうちに落ち着いてきて、頭のなかでは“天空の城ラピュタ”の曲がずっと流れていました。とても感動した」と感想を語った。

次回は、11月20日~24日に栃木県のツインリンクもてぎにて最終戦を開催。23日夜には、コース上にバルーンが整列し、バーナーの炎で照らしだされるバルーンイリュージョンも楽しめる。

《吉田 瑶子》

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