JR東日本仙台支社は7月30日、震災の影響で運休が続く仙石線高城町(宮城県松島町)~陸前小野(東松島市)間11.7kmについて、2015年6月までに再開すると発表した。仙石線・東北本線接続線を経由する新しい直通列車「仙石東北ライン」も同時に運転を開始する。
仙石線は、あおば通(仙台市青葉区)~仙台~石巻(石巻市)間50.2kmを結ぶ直流電化のJR線。線路はあおば通~東塩釜間が複線、東塩釜~石巻間が単線になっている。2011年3月11日に発生した東日本大震災による地震と津波で、路盤が流失するなどの甚大な被害を受けたが、同年5月28日までにあおば通~高城町間が運転を再開。陸前小野~石巻間も2012年3月17日までに気動車を使用した暫定的な運転を再開している。
残る高城町~陸前小野間は、これまで2015年中の再開予定とされていたが、同年6月までに再開することになった。このうち東松島市内の陸前大塚~陸前小野間は津波対策として約500m内陸側に線路を移す大がかりな工事が進められており、途中の東名・野蒜2駅も被災者が集団移転する高台に移設する。
また、東北本線塩釜~松島間の仙台方と仙石線松島海岸~高城町間の石巻方を結ぶ仙石線・東北本線接続線も同時に開業。東北本線と接続線、仙石線を経由して仙台~石巻間を直通する列車が運転を開始する。
接続線経由の直通列車は、東北本線が交流2万V、仙石線が直流1500Vで電化されていて通常の直流電車や交流電車では直通運転できないため、HB-E210系ハイブリッド気動車を新たに導入して運転する計画。新しい運行経路となることから「仙石東北ライン」という愛称名が付けられる。