中国は四川省、成都で行われている中国成都国際自動車部品&アフターマーケットショー(以下CAPAS)にてもっとも大規模に展開していたのはeBay Mortorsのブースである。
eBay.comは、シリコンバレーのオークションサイト。同社の決済システムであるPayPalはeBay以外でも気軽な決済送金システムとして採用されることが多く、日本でこそ存在感は薄いが、欧米アジアでは電子商取引の重要なプレーヤーである。
イーベイでは国と国をまたぐ越境売買の割合が多く全取引の2割を越えるという。また個人間取引よりも業者が販売プラットフォームとして活用するマーケットプレイス型の販売の伸びが大きい。1.45億人のユーザーをかかえる巨大マーケットである。
そのeBayがなぜ、中国内陸部の自動車部品展示会に大々的に出展するのか。
その名もeBay MortorsことeBayの自動車および自動車部品販売のコーナーでは、年間約84億ドル、約8500億円の取引が行われ、2分に1台の車が取引されている。
とくに伸びているのが中国から先進国への自動車パーツの販売である。57%も成長したという。アメリカが最大でオーストラリア、イギリス、ドイツと続く。
アメリカ向けでもっとも多いパーツはライト用のバルブで、イギリスやドイツ向けはDVD再生車載器がトップである。
イーベイは、はじめての中国展示会への出展にあたり安くて競争力がある自動車パーツの出品を促すため内陸部の自動車パーツ展示会を選択したのだ。
「偽物が出品されるのではないか」との中国メディアの鋭い質問に対してイーベイのIris Zhaoさん曰く「イーベイの専門家が出品企業の工場を訪問して審査を行う。もし、偽物パーツを扱うことがあったらその業者のアカウントは凍結する」としている。
イーベイのサイトはまだ中国語対応していないが、こんなパーツがこんな価格で落札されていますよ、という中国語のセリングガイドを出展者に配布。成都に進出してくる完成車工場への納品を意識して出展した企業は「考えたこともなかった」と驚いていた。
またイーベイの強みとして、車両データベースの充実と検索機能をあげ、すべてがモバイル対応していること、B2B取引にも応用してもらえることをアピールし中国部品メーカーの参加を呼びかけた。