【INDYCAR 第12戦】大逆転でホンダのハンターレイが優勝…琢磨はまたしても不運に遭遇

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優勝したハンターレイ。写真:Honda
  • 優勝したハンターレイ。写真:Honda
  • ハンターレイが大逆転のトップチェッカー。写真:Honda
  • 琢磨(後方)はアクシデントに巻き込まれた。写真:INDYCAR
  • 終盤のタイヤ履き替えという策が実り、ハンターレイが勝利。写真:Honda
  • 左から2位ニューガーデン、優勝ハンターレイ、右端が3位カナーン。写真:INDYCAR
  • 向かって中央左側を走る#67がニューガーデンのマシン(2位)。写真:INDYCAR
  • カナーンは今季初優勝ならず、3位。写真:INDYCAR
  • ディクソンは最終的に4位だった。写真:INDYCAR

インディカー・シリーズ第12戦の決勝が、現地12日、米アイオワ州のアイオワ・スピードウェイで開催され、ライアン・ハンターレイが最終盤の大逆転で今季3勝目を飾った。佐藤琢磨は他車に巻き込まれるかたちで序盤にクラッシュ、22位だった。

コース全長が1マイルよりも短い超ショートオーバルを300周する戦いは、終盤、シボレーエンジン搭載のChip Ganassi Racing勢、トニー・カナーン(#10)とスコット・ディクソン(#9)の同門トップバトルでフィナーレを迎えるのかと思いきや、最終盤に大きな見せ場が待っていた。

280周頃に発生した後続のアクシデントによりフルコースコーション、全車が隊列を組んでのスロー走行となる。すでに燃費的にはピットインの必要がないタイミングだが、後方を走るマシンが何台かタイヤ交換のためにピットへと滑り込む。一発逆転を狙ったトライだったが、これが見事に決まるのだ。

残り9周でレース再開、逆転策を採ったハンターレイ(#28 Andretti Autosport/エンジンはホンダ)は、フレッシュなタイヤを武器に次々と上位陣をパスしていく。そして残り2周を切ったところで首位のカナーンもパスし、今季3勝目を達成。

なんとも劇的な勝利に、ハンターレイ自身がチェッカー後、「凄いレースになった。まだ優勝したことが信じられない」と語ったほどである。「大きなギャンブルだったが、リスタートからのバトルは本当に楽しめた。トップまで手が届くかどうかはギリギリだったけど、チームがベストの作戦を採ってくれて、ドライバーである自分は全力で優勝を目指した。そして最高の結果を手に入れることができたんだ」。

2位はやはり最終盤にタイヤ交換していたジョセフ・ニューガーデン(#67 Sarah Fisher Hartman Racing)で、ホンダ勢1-2。カナーンは3位、ディクソンは4位に終わったが、あの局面で上位走行車両は動けないだろう。運がなかったとしか言いようのない結末だった。今年からシボレー勢に移った名門Chip Ganassi Racing、遅ればせながら今季初白星かと思われたが、どうも今季は流れが良くないようである。

そして流れが良くないといえば、琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)だ。予選は16位。決勝では他車のスピンに巻き込まれて47周リタイア、最下位の22位というリザルトになってしまった。

「こんなアクシデントに遭うなんて信じられない」と琢磨。「序盤のリスタートで1台のマシンに並びかけた時、そのさらにイン側から突然、白煙とともにマシンがスピンしながら飛び出してきた。全く避けようがなかった」。どうにも流れの良くない今季、「不運続きでクルーたちもモチベーションを保つのが大変だと思う。でも、チーム全体で集中力を保ち、もてる力を投入し続けようと話し合った」。彼らの決意が不運の連鎖を断ち切ってくれることを願いたい。

シーズンも残り6戦、チャンピオン争いも佳境に差しかかるところだが、ポイント首位タイだったTeam Penske(エンジンはシボレー)の両名、ウィル・パワー(#12)が今回14位、エリオ・カストロネベス(#3)が同8位だったため、カストロネベスが9点差で逃げる展開へと変わっている。ポイント3位はホンダ勢首位のハンターレイで、カストロネベスとは32点差、まだ充分に圏内だ。

次週はカナダのトロントへと舞台を移し、市街地特設コースでのダブルヘッダー開催となる。第13戦決勝が現地19日、第14戦決勝が現地20日の予定。

《遠藤俊幸》

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