【新聞ウォッチ】ホンダ、フィットHV “リコール神話”「3度あることは4度ある」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年7月11日付

●プログラム複雑化が裏目、ホンダHVリコール(読売・10面)

●新幹線前倒し費用焦点、5000億円公費かJRか(読売・11面)

●トヨタHV販売国内で5割超す、今年上半期(朝日・10面)

●マツダ自動ブレーキ車事故、4人書類送検へ(朝日・39面)

●中古車登録、6月として過去最低(産経・10面)

●圏央道開通環八混雑変わらず、国交省調査、交通量減少5%止まり(東京・26面)

●トヨタ、BMWと車台共通、スポーツカー「スープラ」復活(日経・1面)

●真相深層:燃料電池車、トヨタ年度内に発売(日経・2面)

●自動車・機械株に調整色、外需伸び悩みや円高警戒(日経・17面)

ひとくちコメント

「2度あることは3度ある」ということわざもあるが、それが4度目ともなると何とも表現し難いものである。ホンダが『フィット』と『ヴェゼル』のハイブリッド車(HV)計17万5356台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

国交省によると、エンジンを制御するコンピューターのプログラムに不具合が見つかり、停止した状態からアクセルを踏み込んだときなどに、モーターが必要以上に大きな力を発生させて急発進する恐れがあるという。トラブルの事例は44件で、11件は物損事故を起こしていたそうだ。

新型フィットは昨年9月に鳴り物入りで発売したが、今回の届け出は、これまでの3回とは異なる事案とは言え、同一車種では4回目のリコールとなった。

発売後わずか1年足らずで4回もリコールを届けるのは極めて異例のことだが、きょうの各紙の報道ぶりはさまざま。何もなかったかのように掲載を見送ったのが毎日と東京の2紙。朝日は社会面に事実だけを報じた13行の記事。産経はわずか5行だった。

一方で、日経は企業面での囲み記事。「ホンダ17万台リコール、制御プログラム不具合」との見出しで「車に組み込むコンピュータープログラムの複雑化が異例の連続リコールの背景にある」と報じている。

4回目のリコールという、事の重大さに敏感に反応したのは読売である。社会面と経済面に書き分けて、それぞれトップ記事で報じている。このうち、経済面の記事では「HVシステムを制御するプログラムの不具合を、発売前に発見しきれなかったためだ」と解説。「リコールの対応に追われ、新車販売計画の見直しにつながる可能性が高く、収益にも影響しそうだ」と伝えている。

仮にも「収益にも影響する」となれば、品質管理体制など経営面での責任問題にもなりかねない。それにしても、昨年はその年に最も優れた新車を選ぶ「カー・オブ・ザ・イヤー」の筆頭候補にもノミネートされたフィットが、“リコール・オブ・ザ・イヤー”に輝くようではシャレにもならない。

《福田俊之》

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