【ジャガー C-X17 コンセプト 公開】インテリアはテクノロジーとクラフトマンシップの融合

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ジャガー・C-X17 コンセプト
  • ジャガー・C-X17 コンセプト
  • デザイナーのサンディー・ボーイズ氏
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ジャガー『C-X17』の特別展示のために来日したデザイナーのサンディー・ボーイズ氏は、先行デザイン部門でインテリアを統括するチーフデザイナー。コンセプトカーは先行デザイン部門が担当するから、彼こそがC-X17のインテリアの生みの親である。

C-X17はクロスオーバーのコンセプトだが、「ジャガーはドライバーに焦点を当てたスポーツカー・カンパニーであり、その伝統はC-X17でも変わりはない」とボーイズ氏。その一方、「最近は市場の変化もあって、後席乗員についての議論が社内で活発になってきている」とのこと。そこで、「C-X17のインテリアのメイン・コンセプトは、前後の乗員が共有できる環境を創り出すことだった」と告げる。

インパネとセンターコンソールには計4つのタッチスクリーンが備えられている。このうち後席まで延びる長いセンターコンソールは”インタラクティブ・サーフェス・コンソール”と呼ばれ、前席側の画面と後席側の画面で情報共有が可能。

ボーイズ氏に具体的な使い方を聞くと「例えばクルマの外で何かアクティビティをやって、写真を撮ったとしましょう。クルマに戻ったら、車載Wi-Fiを使って写真をアップロードする。フロントのスクリーンにそれを表示したら、画面をフリックしてリヤのスクリーンに送ることができるし、フェイスブックやツイッターで写真をシェアすることもできます」

情報を共有することで前席と後席の乗員が気持ちをひとつにする。IT活用の新しいアイデアだ。一方、ボーイズ氏はジャガーらしいクラフトマンシップにも新たな表現を試みた。

そのひとつが、インパネを水平に横切る加飾だ。ダークグレーのメッキだが、これはルテニウムという白金族の希少金属を使うことで非常に深みのある輝きを実現している。同じルテニウム・メッキをドアの加飾にも使い、その下のスピーカーグリルは陽極酸化したアルミにバフ掛けした後、機械加工で何本ものスリットを刻んだもの。黒い酸化皮膜の深い色調と細いスリットが相俟って精緻な表情を醸し出す。

天井を見上げれば、ガラスルーフに沿って細い桟が並んでいる。コノリー製の革を張ったハイバックシートにこの桟が縞模様の影を落とし、「インテリアをドラマチックに演出する」とボーイズ氏。手作りのクラフトマンシップだけでなく、そこに新しい技術とデザインでモダンな味わいを表現したのがC-X17のインテリアと言えそうだ。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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