トヨタ自動車の国内販売部門を担当する佐藤康彦常務役員は6月25日に都内で開いた燃料電池車(FCV)に関する記者会見で、「700万円程度」としている車両価格について「関心あるお客様に十分検討していただける価格」と指摘した。
トヨタは従来、市販するセダンタイプのFCVについて「1000万円を切る価格での販売にメドがついた」と言及してきたが、2014年度内に日本で発売する時点の価格は消費税抜きで700万円程度とすることになった。佐藤常務は、顧客の注目を集める水準との見方を示し、当面は「環境に高い意識をもつ一般の方や法人、さらに官公庁向けに販売店とともに(販売促進に)取り組みたい。販売店のお客様への支援体制もきちんと整備していく」と語った。
“水素社会”実現を国家戦略と位置付ける政府は、FCVに相当な補助金を付ける方針で検討を進めており、200万円は下らないとの見方が有力だ。佐藤常務は普及の前提となる水素ステーションの整備について、「国やエネルギー業界と一緒になって取り組みたい。トヨタとしてできることも検討していく」と、水素供給網の拡充にも積極的に取り組む方針を表明した。