6月20日午前4時11分(日本時間)、ロシア・ヤースヌイ(ヤスネ)宇宙基地よりISCコスモトラス社の運用するドニエプルロケットにて、東京大学発の超小型衛星『ほどよし3号機』『ほどよし4号機』が打ち上げられる。
ほどよし3号・4号機衛星は、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授の研究室が次世代宇宙システム技術研究組合とともに開発した超小型衛星。1 機あたりの開発コスト 3億円以下、開発期間2年未満という開発手法をめざし、宇宙開発の敷居を下げる「ほどよし衛星」プロジェクトで開発された。
衛星バスは共通のものを使用し、高度約630キロメートルで地球を南北に周回する太陽同期円軌道に投入される。2機で連携して地球観測や超小型衛星向け軌道制御機能の実証などを行う。水位計など、地上に設置された無人センサーのデータを衛星が飛行しながら収集する「ストア&フォワード」機能や、衛星に搭載された10センチ立方の空間を実験などに貸し出す「機器搭載スペース」機能も併せ持っている。
ほどよし3号機は、0.5×0.5×0.7メートル、重量56.5キログラムで、分解能40メートルと240メートルの小型光学カメラを搭載。また、従来の衛星用エンジンに比べ低毒性の過酸化水素を使った軌道離脱用の小型エンジンの実証も行う。
ほどより4号機は、0.5×0.5×0.8メートル、重量63.7キログラムで、分解能6メートルと高解像度の大型光学カメラを備える。2機共通のデータ送信用、X帯10Mbps通信機に加え、4号機は100Mbpsの高速通信機の実証を行う。また、超小型衛星で利用できるイオンエンジン『MIPS』を搭載する。
ほどよし3号機・4号機衛星はすでにドニエプルロケットに装填され、英SSTL社が開発したカザフスタンの小型地球観測衛星「KazEOSat-2」やスペインの小型地球観測衛星「Deimos-2」、130機以上の超小型衛星で高頻度地球観測を目指す米ベンチャー企業、プラネット・ラボ社の衛星11機など、他の衛星と共に打ち上げられる。今回打ち上げの衛星数は33機で、2013年11月にドニエプルロケットが樹立した同時32機打ち上げの記録をさらに上回るという。