日野、3世代目に進化した衝突被害軽減ブレーキ…低速走行車両も衝突回避

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日野自動車 新PCSデモ
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  • 日野自動車技術研究所車両研究室の秋山興平室長
  • 日野自動車 安全技術説明会
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日野自動車は6月14日、4月から大型トラック『プロフィア』および大型観光バス『セレガ』に標準搭載を始めた安全システムを、同社羽村工場内(東京都羽村市)で報道陣に公開した。このうちPCS(衝突被害軽減ブレーキ)は3世代目に進化したという。

日野自動車技術研究所車両研究室の秋山興平室長は「高速道路で大型車が事故を起こすと重大事故に至るリスクがあるということで、追突や多重事故を始めとする高速道路での重大事故を抑止するという観点でシステム開発を進めている。とくに高速領域での衝突回避、被害軽減といったところに重点をおいてシステム開発している」と背景を語る。

また「乗用車は一般道での物損、人身事故を抑止するという観点でのシステム開発が中心に行われているので、基本的には大型車用のPCSは乗用車のものとは開発の考え方が基本的に異なる。センサーシステムにしても大型車のものはより遠くにあるものを精度よく検出する技術が必要になる。これに対し乗用車は比較的近くにある障害物を認識する技術ということで、基本的なシステムの考え方の違いから使っているセンサーの仕様などが異なってくる」と明かした。

従来のシステムは「ミリ波レーダーで障害物を検出し、衝突の危険性が高まった時にドライバーに警報をあたえる。この警報によってドライバーが適切に事故回避操作をすれば事故を防げることになるが、万が一ドライバーが警報を聞きのがした場合にはシステムが自動的にブレーキをかけて速度を落とすことで衝突被害を軽減する仕組み」だった。

今回新開発したPCSは「従来の機能に加えて衝突回避機能を追加した。高速道路上で起こる渋滞中の低速走行車両に対して速度差時速50km以下、例えば先行車が同30kmで走っていて後続のトラック・バスが同80kmの場合に衝突を回避できるようになった」という。

当日は羽村工場内のテストコースでセレガによるPCS試乗体験が行われた。この体験では同30kmで前を走る車両に同60kmで接近するという条件で実施。ドライバーはブレーキ操作をしなくても自動的に前車と接触することなく停止した。また同様に同30kmで前を走る車両に対し同80kmで接近する衝突回避デモも披露された。

《小松哲也》

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