FF車最速を目指して、現在開発中の次期ホンダ『シビック タイプR』。ジュネーブモーターショー14で、コンセプトカーも披露したばかりの同車に、思わぬ強敵が現れた。
これは3月4日、スイスで開幕したジュネーブモーターショー14の会場で、フォルクスワーゲングループに属し、スペインに本拠を置くセアトが明らかにしたもの。「新型セアト『レオン・クプラ280』が、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースの市販FF車の最速ラップタイムを更新した」と宣言したのだ。
これまで、市販FF車でのドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおける最速ラップタイムは、ルノー『メガーヌR.S.トロフィ』が2011年6月に打ち立てた8分7秒97。新型レオン・クプラ280はこれを9秒以上短縮し、8分を切る7分58秒44の新記録を打ち立てている。
新型レオン・クプラ280は、新型『レオン』シリーズの最強グレードとして、ジュネーブモーターショー14でデビュー。新型レオンは、フォルクスワーゲングループが開発した新型モジュラープラットフォーム、「MQB」を採用。同じ車台が、新型フォルクスワーゲン『ゴルフ』、新型アウディ『A3』にも使われている。
新型レオン・クプラ280は、直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」を搭載。最大出力280ps、最大トルク35.7kgmと、セアトの市販車としては歴代最強のスペック。0-100km/h加速5.7秒、最高速250km/h(リミッター作動)の実力だ。
ジュネーブモーターショー14のプレスカンファレンスには、セアトのユルゲン・スタックマン社長が登壇。「新型レオン・クプラは、セアト史上、最速かつパワフル」と、自信たっぷりにコメント。早くも、2015年に発売予定の次期 シビック タイプRを牽制している。