STマイクロ、1チップ衛星測位用IC「Teseo II」をESAに提供…eCall緊急通報システムのガリレオのテスト向け

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STマイクロエレクトロニクス、1チップ衛星測位用IC「Teseo II」
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STマイクロエレクトロニクスは、eCall緊急通報システムの認定テスト向けに、1チップ衛星測位用IC「Teseo II」を、欧州宇宙機関(ESA)、欧州委員会共同研究センター(JRC)に提供したと発表した。

認定テストは、ガリレオの普及促進に向けた取り組みの一環で、欧州全地球航法衛星システム監督庁(GSA)が運営している。

ガリレオのテストは、ESA、JRCが数カ月間にわたって実施する予定で、欧州全地球航法衛星システム監督庁のテスト計画に沿って、STのファームウェア・リリースが検証される。テストは、2014年末に運用を開始する予定のガリレオ初期運用サービスをサポートしている。

また、テストにより、Teseo IIが欧州静止衛星補強型衛星航法システム(EGNOS)に対応していること、事故車両から自動的に通知メッセージを送信するeCall緊急通報システムがガリレオに対応できるかを評価する。計画では、静的・動的テスト条件のほか、GPS、ガリレオ、グロナスと最大3つの衛星測位システムを用いて、異なる3つのケースについてテストする予定。

STは、ESAが実施した軌道上のガリレオ衛星を使用した初の測位結果に基づいて、Teseo IIの量産用ファームウェアとして「Galileo Golden」を追加実装した。Teseo IIは、ガリレオに対応すると同時に、ガリレオ衛星測位システムからのファームウェア・アップデートも可能で、顧客はハードウェアの変更が不要となる。

Teseo IIは、現在利用可能なガリレオ衛星を含む、複数の衛星測位システムからの信号を同時に処理する機能を持ち、将来配備される衛星測位システムにも対応することができる。

複数の衛星測位システムからの信号を受信するSTの技術は、現在軌道上にあるガリレオ衛星の利用を可能にし、高層ビル群を自動車で通過するような衛星見通し率が悪い条件下でも、初期位置算出時間の短縮、高精度での継続的トラッキング、効率的な操作といったメリットを消費者に提供する。

《レスポンス編集部》

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