【スーパーフォーミュラ 最終戦】決勝第2レース…山本尚貴、劇的攻防を経て初代王者に輝く

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10日午後、全日本選手権スーパーフォーミュラ最終戦(鈴鹿)の決勝第2レースが行なわれ、3位でゴールした山本尚貴が初代ドライバーズチャンピオンの座を獲得した。

決勝第2レースのスタートを迎える時点では雨はほとんど降っておらず、空も明るめになっていたが、路面はウエット状態。28周の第2レースは、ドライタイヤでスタートした場合は1回のタイヤ4本交換義務が発生する規則だが、レインタイヤでスタートした場合、その義務は生じない。各陣営、最後の最後まで悩んだが、最終的にはポールの山本(#16 TEAM 無限/ホンダ)を含む15台がレインを選択し、4台がドライを履いた状況でスタートを迎える。

レース序盤、天候・路面はドライ方向へと傾いていった。そのため、レインタイヤで出走した15台は1~3周目に次々ピットインしてドライタイヤへと交換、この時点では最初からドライタイヤを履いていた4台がトップ4を形勢する。山本は3位以内でゴールすれば、今回欠場のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)を逆転してチャンピオンを獲得できる状況だが、2周目にタイヤ交換した彼は、1周目にピットしていた2台に先行を許すこととなり、ドライタイヤに履き替えた組のなかで3番手に位置していた。一応の王座安全圏ではある(一概には言えないが、トップ4にはタイヤ交換義務が残っているため)。

その後、レースは終盤になって大きく動いた。トップのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)がマシントラブルを抱えたらしくペースダウン、中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が23周目に首位に立つ。そしてオリベイラは27周目(最終ラップの1周前)にクラッシュしてしまうのだが、この頃、レース途中からパラついていた雨がラップタイムを大幅に落とすくらいに激しくなってくる。

オリベイラの脱落によって山本は実質2位となったが、27周目を終えるシケインから最終周の初めにかけて小暮卓史(#32 NAKAJIMA RACING/ホンダ)との攻防になり、先行されて実質3位へと後退。背後には平川亮(#7)とアンドレア・カルダレッリ(#8)の KYGNUS SUNOCO Team LeMans(トヨタ)勢も迫っていた。最終ラップを通じて、息がつまるような接近戦を平川と展開した末に、山本はなんとか3位を死守してゴール。ロッテラーと同点ながら大会別の最高獲得ポイント比較で上位となり、スーパーフォーミュラ初代チャンピオンの座をつかんだのである。混戦のなか、コクピットの山本はオリベイラ脱落以降の順位状況をよく把握できておらず、ゴール直後のチーム無線で王座を確信したという、まさに激闘をくぐり抜けての戴冠だった。

「信じられない気持ちです。もちろん、タイトルを獲りたいと思って今週末に臨んだんですけど、条件は誰が見ても厳しいものでしたし、まして自分は1回も勝ったことがなかったわけですからね(今日の第1レースで初優勝)。とにかくあきらめないで戦ってきたことが良かった、としか今は言えません。最後もあんな展開が待っているとは思いませんでしたしね。支えてくれた人々への感謝の気持ちでいっぱいです」

1988年生まれの山本は現在25歳で、全日本トップフォーミュラ参戦4年目。シリーズ名がフォーミュラ・ニッポンだった時代(96~12年)には、本山哲、高木虎之介、松田次生、中嶋一貴と4人の日本人チャンピオンが生まれているが、山本は先輩4人よりも若い年齢での初戴冠となった。スーパーフォーミュラという新名称初年度に相応しい、新時代を担う新王者の誕生といえるだろう。

第2レースの優勝は一貴で今季2勝目。2位は小暮、4~5位には平川とカルダレッリが入った。山本の僚友・佐藤琢磨(#15)は8位。またシリーズランキングでは、WEC上海戦参戦のためにSF最終戦を欠場した元Fニッポン王者勢、ロッテラーとロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が2~3位を占めている。

スーパーフォーミュラの今季シリーズ戦はこれにて終了。11月23~24日の特別戦「JAF-GP富士スプリントカップ」が現行マシンSF13でのラストレースとなり、若き新王者・山本が栄光のカーナンバー1を纏うであろう来季は、ニューマシンSF14での戦いが幕を開ける。
《遠藤俊幸》

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