10月8日、富士通テン・イクリプスは2013年の秋モデルとして同社のナビゲーションシリーズ2シリーズ6機種を発表した。
富士通テン販売の川西康之社長は、発表会見の席上で「昨今の市販カーナビ市場は縮小傾向にあると言われているが、需要そのものはまだあると考えている」と前置きした上で、「当社の調査によると、カーナビを持っている人が7割おり、残り3割の未保有者の半分はナビを購入したいという意向があり、さらにナビを装着している人の半分は魅力ある商品があれば買い換えたいと思っていることが分かった」と説明。魅力的な商品企画によって、潜在需要を掘り起こし、同社が目標とする市場シェア20%獲得を目指し取り組むことを明らかにした。
今回の目玉は、Zシリーズ(『AVN-ZX03i』『AVN-Z03i』『AVN-Z03iW』)がWi-Fiに対応、スマホのテザリング機能を利用して、対話型エージェントアプリ「CarafL(Car-centric life Assistive Friend Link:カラフル)」を活用した音声による目的地設定が可能になった点だ。
CarafLは、「音声で入力し音声で答える」コンシェルジュ機能が特長。「この近くに空いている駐車場ないかなあ」「トイレに行きたい」のような自然な発話を認識して、キャラクターの「ハルカ」ちゃんが最適な候補を表示・案内。音声で案内されたPOI(スポット)に対して「そこへ行く」と言うだけで目的地へのルート設定が可能だ。「中野坂上駅近くのコンビニ」や「東京タワー周辺の駐車場」といった検索条件の設定も高い精度で認識する。
このほか、指定した地域や目的地の天気情報、「○○さん、こんばんは」のようなウェルカムメッセージ、「たまには休憩した方がいいですよ」といったアドバイスもしてくれる。エージェント発話の頻度は設定により変更が可能だ。
製品企画室CIビジネスグループ主査の森村準氏は「2013年のAVNでは、“つながるテクノロジー”で、使いやすさ・安全・安心の機能をさらに向上させた。CarafLはAndroid/iOSの両OSに対応しているので、スマホの機種を選ばず連携できる部分も特長」と説明する。
またスマートフォン連携部分を担当するSS技術本部のサービス技術室室長の沢田輝氏は、「通信を利用するクラウド型のサービスとすることで、センターにある膨大な辞書を活用できるだけでなく、最新の情報検索やパーソナライズが可能になる。また、(ロードノイズや環境音など)クルマ固有の雑音除去をフィルタリングすることで、認識精度も高めている」とのこと。
なお、キャラクターのハルカちゃんは訪問した都道府県のさまざまなコスチュームを入手でき、スマホの画面をタップすると驚くリアクションも。また、音声でハルカちゃん個人のことについて尋ねるとユニークな回答もしてれるなどエンタメ要素も忘れられていない。