【GARMIN GDR35D インプレ前編】前後同時録画対応、現在位置も衝撃Gも保存できるフルHDドラレコ

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GARMIN GDR35D
  • GARMIN GDR35D
  • 本体は縦82ミリ、横66ミリ、厚さ4.2ミリという大きさ。上部にあるのはマウントのボールをはめ込むジョイントだ。右側面には電源とリアカメラのケーブルを接続するコネクタがある。
  • 反対側はディスプレイと4個のボタンが並んでいる。ちなみに、タッチディスプレイではない。
  • 左側面には電源スイッチとマイクロSDカードスロットがある。電源スイッチはバッテリー駆動するときに必要になるが、普段はまず使わない。
  • リアカメラは縦46ミリ、横46ミリ、厚さ4.6ミリとかなり小ぶりだ。ケーブルを接続するコネクタが1個ある以外は、スイッチも何もない。
  • 本体用のマウント。両面テープでフロントガラスに固定する。一般的にはルームミラーの横か裏側で、ワイパーの拭き取り範囲内になるように取り付ける。
  • こちらはリア用のマウント。リアウインドウは車種によって傾斜角度がまったく違うので、幅広く角度を調整できるようにジョイントが設けてある。
  • シガーライターに差し込む電源ケーブル。PNDに付属のものよりケーブルが長くなっている。

この1~2年で急速に普及が進んでいるドライブレコーダー。低価格な製品が多数登場しているが、GARMINは逆に高性能と多機能を追求したモデルを投入した。フルHD(1920×1080pix/30fps)録画、GPS搭載、2画面同時録画、Gセンサー搭載など、数あるドライブレコーダーのなかでも間違いなく最高峰といえるモデルだ。

◆アクシデントは前からやってくるとは限らない

ドライブレコーダーが一般ユーザーにも普及してきた。手軽に購入できる価格の製品が数多く登場してきたことや、事故にあった場合に証拠として役立てば、その購入費用などまったく問題にならないほどのメリットがあることから、高級を検討する人が増えているようだ。

PNDのトップメーカーのひとつであるGARMINは、PNDに接続して使用するディスプレイレスのドライブレコーダー「GDR20」でこのジャンルに参入。主力商品であるPNDのオプションのような位置づけだったが、GPSによる位置情報の記録ができることや優れた画質で好評を博した。そこで、PNDから独立したスタンドアローンタイプの製品として投入したのが「GDR35D」および「GDR32」だ。

今回紹介する「GDR35D」はディスプレイ一体型カメラにリア撮影用のカメラを加えた前後同時撮影可能なドライビングレコーダーだ。GARMIN製品らしくGPSを搭載し、走行軌跡を常に記録。Gセンサーも搭載しており、車両に衝撃が加わるとその前後の映像を消去されないようにロックする。現在販売されているドライビングレコーダーとしてはフルスペックといっていいだろう。一方、「GDR32」はリア撮影用のカメラを省いいた製品で、それ以外は「GDR35」とまったく同じだ。

ドライブレコーダーは万が一の事故に備えるためのものだが、当然ながら事故は前方からやってくるとは限らない。自分の過失でない、いわゆるもらい事故に関して言えば、むしろ後ろから来ることが多いだろう。そういった意味では従来のドライブレコーダーは十分な対策とはいえない。リアも同時に撮影できることは本機の非常に大きなアドバンテージといえる。

◆フルHD対応だがサイズ的には720pが現実的

本機のフロントカメラはフルHD対応で1080p/30fpsの高画質な録画が可能。イメージセンサーはCMOSの300万画素だ。ただし、前後同時録画をする場合は解像度が720p(1280×720)に制限される。本機は前後同時録画をしなければ利用価値がないので、実際に使う解像度は720pがメインと考えておいたほうがいいだろう。レンズは焦点距離2.0ミリで視野角は110度を確保している。一方、リアカメラは解像度100万画素で焦点距離、視野角はフロントと同じ2.0ミリ、110度となっている。

フロントカメラと一体になった本体には2.4インチのTFT液晶ディスプレイを搭載。また、この本体内に日本の準天頂衛星「みちびき」対応のGPSレシーバー、3段階調整可能なGセンサー、マイク、スピーカー、バッテリー、マイクロSDカードスロットを備えている。さらに、この本体は地デジ電波の干渉対策がなされているので、同じ車内で地デジを受信してもほとんどノイズを発生しない。

記録時間は、付属している8GBのマイクロSDカードを使用した場合、約2.2時間となっている。これは前後同時録画をした場合で、1080pでは約2時間、WVGA(848×480)では9.5時間といった録画モードも用意されているが、リアの映像は録画されない。

取り付けは本体をフロントガラスに、リアカメラをリアウインドウガラスに取り付け、本体とリアカメラを1本のケーブルで接続する。電源はシガーライターから本体に供給。リアカメラは別途電源を接続する必要がない。なお、リアカメラも車内に設置するが、ウインドウが濃い色のプライバシーガラスであってもほとんど問題なく撮影できる。

本体、およびリアカメラを取り付けるためのマウントはどちらも両面テープで固定するようになっており、吸盤タイプではない。したがって、一度取り付けたら容易に場所を変更したり別の車両に取り付けるといったことはできない。前後ともマウントのジョイント部分は球面になっており、自由に向きを調整できる。また、レンズ部分は回転できるかのようなデザインだが、実際には固定されており、調整が必要な部分は全くない。

◆必要な設定とカメラアングルを調整したら準備完了

取り付けたあとは必要な設定をしてカメラアングルを調整すれば準備完了だ。設定はほとんど初期設定のままで大丈夫だが、フリッカレス設定とGセンサーの校正だけはしておいた方がいい。フリッカレス設定とは自分が住んでいる地域の電源の周波数を50hzか60hzのどちらかから選択しておくもの。なぜこのような設定が必要かというと、最近増えているLEDの信号機は電源周波数に同期して点滅しているため、カメラもそれに合わせて設定しておかないと信号機が点滅しているように撮影されてしまうのだ。

Gセンサーの校正については、本機のファイル管理を含めて説明しておこう。本機は撮影した映像を256MBごとに分割して保存する。microSDカードがいっぱいになると、古いファイルから削除していく仕組みだ。ただし、Gセンサーで衝撃を感知するとそのファイルと前後のファイル、合計3ファイルを保護ファイルとし、削除されないように保護する。

今回、最初はGセンサーの校正をしないまま使用して見たのだが、過敏に反応し過ぎてファイルのほとんどすべてが保護ファイルになってしまった。これでは意味が無いためGセンサーの校正を行うと、通常の運転ではほとんど衝撃が感知されることはなくなった。なお、保護ファイルは絶対に削除されないわけではなく、その数が15ファイル以上になると古いものから削除される。

続いてカメラのアングルの調整だ。これは一般的なドライブレコーダーであればあえて調整というほどの手間はかからないのだが、本機はリアカメラがあるので、これをしっかり調整しておきたい。さもないと映像が斜めに録画されたり、空ばかりが撮影されてしまうので注意が必要だ。

《山田正昭》

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