IHI、自動車用ターボ技術を応用した小型発電装置を開発

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IHI、小型バイナリー発電装置を開発
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IHIは、発電した電力を商用電源に接続可能な系統連系機能を持つ最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプの小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」を8月8日から販売開始すると発表した。

HRシリーズは従来、バイナリー発電に適さないとされ捨てられていた、少量の温水の利用実現を目的に開発したもの。最大送電端発電出力20kWの小型・軽量タイプで、これまで熱エネルギーの回収が難しいとされてきた、工場などで分散して排出されている100度未満の温水を集約せずに利用できる機会が増える。少ない熱エネルギーで高出力を得ることが可能な、高効率な装置。

装置は、使用する温水・冷却水の温度・量により、数kW~20kWの発電が可能。作動媒体には、電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和に適合したフッ素系の不活性ガスを使用し、70~95度の温水で発電する。冷却水の温度が30度(一般的な工場の冷却水平均水温)でも、温水が95度あれば最大発電出力を得ることができる。

まとまった温水が排出される工場や温泉では、装置を複数台設置し、温水を各装置に分散させて発電することも可能で、メンテナンス時には1台ずつ停止して他の装置で発電することにより、発電装置の稼働ロスを最小限に抑えることができる。

商用電源に接続可能な系統連系機能を標準装備することで、発電した電力の品質を上げるとともに、電力の用途を広げ、温泉での再生可能エネルギーの固定買取制度の適用や工場での省エネにも貢献する。

装置の心臓部であるタービン発電機には、同社の自動車用・舶用ターボチャージャや産業用コンプレッサ事業を通じて培ったターボ機械技術と、増速機などを使用せず直接動力を伝達する、ダイレクトドライブ技術を融合、高効率化の実現による発電性能の向上を図った。

同社では、装置を様々な業種の工場や、温泉地、自治体などに向けて販売する。価格は1000万円前後の予定で、今年度末までに、20台以上の受注を目標に営業活動を展開する。

《レスポンス編集部》

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