エキサイティングでドラマ満載だったイギリスGPの興奮が冷めやらぬ7月上旬だが、F1サーカスはドイツ・アイフェル高原へと参集する。輪番開催となったドイツGPの今年の開催地は、伝統のニュルブルクリンクだ。
1984年にリニューアルオープンしたニュルブルクリンクには、かつてのノルドシュライフェ(北コース)ほどの冒険性はないが、時を経てグランプリコースもF1カーとドライバーの実力を測る試金石としての地位を獲得。
このサーキットは、セットアップの妥協点を問うことで知られる。ツイスティな低速ファーストセクターと、後半に出現する高速セクターが顕著なコントラストをなす一方、シケインの存在によって積極的な縁石の活用が求められ、サスペンションもソフト方向に振られる傾向がある。
ニュルブルクリンクが要求してくるF1マシンとドライバーへの総合力は、しばしばテクニカルパッケージの隠れた弱点を暴きだしてきた。その一方で、アイフェル高原は急激な天候変化がレースを左右することも多い。
過去14戦連続でポイントをスコアしていたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だったが、シルバーストーンで得られたはずの25ポイントをマシントラブルで取り逃がしてしまった。フェルナンド・アロンソがイギリスGPで3位に食い込んだ結果、ドライバーズポイントはベッテル(132)、アロンソ(111)で、ポイント差は21にまで縮小。コンストラクターズの戦いは、メルセデスAMG(171)がフェラーリ(168)を追い越し、レッドブル(219)が逃げているという状況だ。