気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年6月6日付
●「民間活力の爆発」アベノミクス第3の矢(読売・1面)
●笹子事故、専務ら2人引責辞任へ、中日本高速で保全担当(読売・11面)
●出生率微増1.41に、12年、30代の出産増える(朝日・1面)
●「プリウス」など11万台リコール、トヨタ(朝日・37面)
●女性従業員の育児支援、トヨタ、夜勤免除を導入(産経・10面)
●高速道借金返済先送り、10~15年根拠あいまい国交省方針(東京・1面)
●ガソリン価格13週連続下落(東京・7面)
●先読みビジネス天気、自動車、主力車刷新、需要を刺激(日経・12面)
●マツダ、生産能力3倍、マレーシアで工場取得・新設(日経・12面)
●三菱自向け生産GSユアサ再開、電池不具合で停止(日経・12面)
●今期業績の焦点:日産自動車・志賀俊之COO、中国販売、過去最高狙う(日経・15面)
ひとくちコメント
安倍政権の経済政策「アベノミクス」の第3の矢のキーワードは「民間活力の爆発」だそうだ。安倍首相が規制改革に重点を置いた成長戦略のメニューを発表した。
素案では対象の地域を限定して規制緩和する「国家戦略特区」の創設のほか、大衆薬のインターネット販売の原則解禁、燃料電池車普及へ15年度までに規制を見直すなどが柱で、目玉としては10年後に1人当たり国民総所得(GNI)を現在の水準から150万円以上増やす目標を掲げている。
きょうの各紙が1面トップなどで大きく報じているが、「雇用・教育、生活に直結」「勝てる経済目指す」などと、読売などは前向きにとらえている半面、朝日は「高い目標、実現不透明」「成長の矢株安の洗礼」。
産経は「乏しい新味“第4の矢”催促」「市場失望、東証518円安」と、トヨタ200円安、富士重工103円安などと、発表直後に株価が急落したことで「迫力不足」を強調している。
毎日は社説で「手をつけやすい政策を総花的に並べた印象は否めない。経済を本格回復に向かわせる内容とはまだとても言えない」と指摘。「企業活力を真に引き出す政策を引き続き検討し、実現することが求められる」としている。
日経も「輸出や投資の数値目標ばかりが先に立ち、肝心の規制緩和や税制措置などの中身があいまいなのは否めない」とした上で、「聞こえのいい数値目標をアピールすることに執着するよりも、具体策を充実させる方に専念すべきではないだろうか」と注文をつけている。
それにしても、株価の下落が止まらない。今朝もニューヨーク市場は200ドル以上も下げて、円高も進行している。株を買う新たな材料が乏しい東京市場でもその連鎖が心配だ。