福井県はこのほど、福井駅付近の線路を高架化する連続立体交差事業について、えちぜん鉄道の線路を一時的に新幹線高架橋に移す仮設線路の工事に着手することを明らかにした。秋から準備工事を開始し、年内にも仮設線路の工事が本格化する模様。
福井駅付近連続立体交差事業は1992年3月に事業認可を受けた。高架橋の建設用地を確保するため、まず1997年3月に京福電気鉄道(現在のえちぜん鉄道)の線路を現在の場所に移設。続いて2000年6月には北陸本線の線路を仮設線路に移して高架橋本体の工事に着手し、2005年4月に北陸本線の高架化が完了した。
残るえちぜん鉄道の高架化は当初、北陸新幹線の高架橋と一体的に整備することが計画され、2階にえちぜん鉄道、3階に北陸新幹線の線路をそれぞれ通す予定だったが、後に新幹線を通常の高架橋で先に建設し、えちぜん鉄道が暫定的に新幹線高架橋に乗り入れる計画に変更された。
北陸新幹線の金沢~福井~敦賀間は2025年度の開業を目指して2012年8月に起工式が行われたばかりだが、福井駅部の高架橋は先行的に着工し、2009年2月に完成している。
えちぜん鉄道の高架化計画は2012年12月の都市計画変更を経て、3月に事業認可変更を受けた。福井県によると、2014年度末から2015年度初め頃までに仮設線路に切り替えて、えちぜん鉄道の新幹線高架橋への乗り入れを目指す。
その後は新幹線高架橋への乗り入れで空くことになる線路敷地にえちぜん鉄道の高架橋を建設し、2018年開催予定の福井国体をめどに完成させたいとしている。