富山県内の並行在来線、社名は「あいの風とやま鉄道」に内定

鉄道 企業動向
北陸本線の普通列車で運用されているJR西日本の521系。あいの風とやま鉄道はJR西日本から521系を譲り受けて列車を運転する。
  • 北陸本線の普通列車で運用されているJR西日本の521系。あいの風とやま鉄道はJR西日本から521系を譲り受けて列車を運転する。
  • 富山駅構内で工事が進む北陸新幹線の高架橋(左)。新幹線の開業に合わせJR北陸本線の経営はあいの風とやま鉄道に引き継がれる。

北陸新幹線の並行在来線を運営する富山県並行在来線準備(富山市)は5月30日、新しい社名を「あいの風とやま鉄道」に決めたと発表した。6月下旬に開催される定時株主総会で定款の変更を決議する予定。

同社は2012年7月24日設立。北陸新幹線長野~金沢間の延伸開業(2015年春予定)に伴い、信越本線長野~直江津間と北陸本線金沢~直江津間の経営がJRから分離されるため、北陸本線の富山県内区間を引き継ぐ第三セクターとして設立された。

現在の社名は開業準備の性格を表しているため、開業時の社名を2012年12月10日から2月15日まで一般から募集し、県内外の有識者で構成される社名選考委員会を2回開いて選定した。応募総数は5380件だった。

「あいの風」は、春から夏にかけて吹く北東の緩やかな風のこと。万葉集に詠まれ、古くから豊作、豊漁など「幸せを運ぶ風」として富山県民に親しまれているという。富山県並行在来線準備は「『あいの風』のように県内を東西に横断し、県民に豊かさ、幸せを運び届けることができる鉄道」「利用者との『出会い』を大切にし、県民に『愛』される鉄道」を目指すとしている。

これにより、北陸新幹線の並行在来線を運営する第三セクターの開業時の社名が全て決まった。新潟県内区間はえちごトキめき鉄道が、石川県内区間は石川県並行在来線(定時株主総会で「IRいしかわ鉄道」に改称予定)が、それぞれ経営を引き継ぐ。

長野県内区間については、1997年の北陸新幹線高崎~長野間(長野新幹線)開業時に信越本線軽井沢~篠ノ井間の経営を引き継いだしなの鉄道が「北しなの線」として経営を引き継ぐ。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集