全日本選手権スーパーフォーミュラの来季採用ニューマシン「SF14」の開発進捗状況が、6月1日、今季第2戦開催中のオートポリス(大分県)にて報告され、風洞実験、衝突実験等の画像が公開されている。
シリーズ5年ぶりとなるワンメイクマシン刷新に向け、SF14の開発を進めているのは世界最大手の量産フォーミュラカー・コンストラクターであるダラーラ社(イタリア)。先般、そのダラーラ社にエンジン供給メーカーであるホンダとトヨタ、両社のエンジニアが赴き、新たな2リットル直4ターボ搭載に関しての詰めの作業を行なうなど、SF14の開発はいよいよ佳境にさしかかってきているようだ。
ホンダ、トヨタのエンジニアたちの報告によれば、「40%スケールのモデルを使用しての風洞実験を通じて、前走車の背後についた場合にもフロントのダウンフォースがなるべく抜けないような空力性能を目指し、ダラーラ社は開発を進めている」とのこと。より迫力あるバトルを実現するための方向性だが、既に現行車(米スウィフト社製のSF13=旧名FN09/3.4リットルV8自然吸気エンジン搭載)が世界最速の量産フォーミュラと評せる状況であるうえに「黙っていても今より3秒くらい速くなる」というSF14の基本性能の高さを含めて考えると、来季のスーパーフォーミュラはアジア最高峰シリーズの域さえ超える魅力を有することになるかもしれない。
今季からシリーズ名称を改め、韓国戦(8月24~25日/インジェ)の開催も予定するなど、装い新たに発足したスーパーフォーミュラ(旧フォーミュラ・ニッポン)。真の生まれ変わりとなる2年目に向け、SF14の“パフォーマンス”に大きな期待がかかる(スピード能力もそうだが、最重点はバトル増加だろう)。
FIAのクラッシュテストも通過済ということで、「SF14・ホンダ」と「SF14・トヨタ」の国内シェイクダウンは、今季第3戦の開催を週末に控えた7月10~11日に静岡県・富士スピードウェイで実施される予定だ。