【GARMIN nuvi 2595V インプレ後編】3年無料地図更新以外にも豊富なファンクション

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
ルート検索の「回避」では道路の始点、終点を指定して、その間を避けたルート設定ができる。
  • ルート検索の「回避」では道路の始点、終点を指定して、その間を避けたルート設定ができる。
  • ルート検索の条件はメインメニューの「ツール」-「設定」から行うようになっており、ルート検索時に設定することはできない。
  • ルート検索の設定には「回避」という独特の項目がある。
  • ルート検索後、画面の上部をタップするとルートのデータがこのように表示される。ここで画面左上のボタンをタップするとルートの全体図が表示される。
  • ルート全体図を表示したところ。遠くに行くときはこれを確認しておかないと、思わぬルートを通らされることがある。
  • 曲がるポイントが近づくと地図がズームアップして交差点が拡大表示される。間違え用がないほどの分かりやすさだ。
  • インターチェンジやジャンクション、大きな交差点ではこのようなイラストが表示される。このとき、画面左上に交差点までの距離とともにレーン情報も表示される。
  • ハイウエイモードも採用。SA/PAの施設情報もアイコンで表示される

目的地を検索したら続いてルート検索、ガイド開始となる。ルート検索は良くも悪くもnuviシリーズの特徴が出ているところで、とにかくシンプルだ。最低限の操作でできるし、時間もかからないという面では優れている。

分かりやすさを維持しつつ豊富な情報を表示

ただ、どんなルートを検索したのか、その全体図さえ表示しないままガイドを開始してしまうのはややシンプルすぎかもしれない。例えば、高速道路を使うか迷うような場所へのルートを検索した場合、検索したルートが高速道路を使うのか、使わないのか、ガイドが始まってもわからないのだ。

もちろん、ルートの全体図を表示させることは可能。この割り切った操作方法は近場の移動には非常に快適だが、遠くに行く場合はいきなり走り出さずに少し注意が必要といえる。ちなみに、ルート検索の条件は時間優先、距離優先、一般道優先、有料道路優先などがあり、回避設定としてUターン、幹線道路、有料道路、フェリーなどを設定できる。また、任意のエリアや道路を回避するという珍しい設定も備えている。

ルート検索の条件変更は設定画面から行う必要があり、ルート検索時にさっと指定するといったことはできない。ただし、ルート検索後に地図画面のショートカットボタンから変更することができる。また、ルート全体の確認は地図画面の上部、道路名などが表示されている部分をタップし、次に左上のボタンをタップして「地図表示」をタップする。

◆日本メーカー製のライバルに負けない豊富な情報表示

nuviシリーズの最大の特徴といえるのが、シンプルに徹した地図と明快なガイド機能だ。この伝統は本機でも受け継がれている。地図は基本的に道路だけを表示し、それ以外のものはほとんど表示しない。なるべくたくさんのデータを詰め込んで表示しようとする国産のナビとは対極にあるシンプルさだ。そしてルートは紫色の太いラインで、曲がる方向は白い極太の矢印で表示する。

あまりにもシンプルすぎるように見えるが、この表示は運転中にちらっと見ただけでもその内容を読み取れるというメリットがある。分かりやすさを追求するとき、国産メーカーのナビでは交差点の詳細図を表示するなど、情報を付け足していく考えが一般的だが、nuviシリーズでは逆に余計な情報をそぎ落とすことで分かりやすさを追求するのだ。実はnuviシリーズにも交差点の拡大表示機能はあるのだが、別の図を表示するのではなく、交差点に差し掛かったら地図そのものを自動的に拡大するオートズームという方法を採っている。

このようにnuviシリーズの地図はシンプルで、次にどの交差点をどの方向に曲がるかだけをドライバーに知らせることに特化している。反面、自分が今どこにいるか、自分の周囲になにがあるかを知るには不向きだが、こういったことを知りたい場合は地図を2D表示に切り替えればいい。nuviシリーズでは地図表示の基本は遠くまで見渡せる3D表示で、必要に応じて2Dに切り替えるようになっている。

ここまではnuviシリーズに共通した地図とガイドの特徴だが、本機では前述のように地図が変更になり、市街地詳細図に対応した。また、シンプルを身上とするnuviシリーズもこのところは必要に応じてさまざまな情報を表示するようになってきており、本機もインターチェンジやジャンクションのイラスト表示、レーン表示などの機能を搭載する。結果として、国産メーカーのナビに匹敵するほどの情報を表示してくれるようになった。

表示する情報が増えれば、その読み取りやすさ、見やすさは必ず低下する。本機がそのトレード・オフの関係を打ち破るほど画期的に見やすいなどというつもりはないが、可能な範囲でうまくバランスをとっていることは確かだ。一見シンプルだが、必要な情報が過不足無く表示されるという理想にかなり近い形になっている。

◆POI転送や軌跡表示などパソコンとの親和性も高い

本機はシンプルに見えて、付加機能は意外と数多く搭載している。渋滞情報はFM-VICSで対応。地図上に混雑した道路をオレンジ色で、渋滞中の道路を赤で表示する。駐車場の空満情報や工事情報なども表示することができる。ワンセグチューナーを搭載しているのでテレビの視聴も可能だ。ブルートゥース機能によってスマートフォンを接続し、ハンズフリー通話をすることもできる。接続するスマートフォンの機種にもよるが、本機でスマートフォンに保存された電話帳を表示して発信することも可能だ。

パソコンとの連携が得意なのも本機の特徴で、Googleマップで見つけたポイントをUSB接続した本機に転送したり、本機に保存された走行軌跡をGoogleアースに表示させることもできる。

また、本機にはポイントを記録したgpiファイルを読み込んで一気に登録する機能がある。パソコンでgpiファイルを作成できる人なら、この機能を使ってさまざまな応用が可能だ。その一例が日本中のオービスの位置を登録し、必要に応じて警告を発すること。従来のnuviシリーズではそのgpiファイルがnuviシリーズの販売元である「いいよねっと」からダウンロードできるようになっていた。これが好評だったため、本機ではそのgpiファイルがプリインストールされた状態で販売されている。つまり、購入したままの状態でオービス警告機能が使えるのだ。

ほかにも、自車位置を示すアイコンのデータをダウンロードして変更できる機能や、省エネ運転ができているか評価してくれるエコルート機能、走行距離や平均速度を計測するトリップ情報、さらに世界時計や単位コンバータなど、本機に搭載されているユニーク機能は数多い。意外なほど色々な使い方、楽しみ方ができるPNDだ。

《山田正昭》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集