河川敷を整備し、水辺利用の拠点となる「川の駅」が、江東区内にある江戸時代の船番所跡(大島9-10)に誕生した。23区内に川の駅が整備されるのは初めてのことだ。
全国にある都市部河川の大部分は、防災を重視して簡単には近づけない構造になっている。川の駅がある旧中川は、東京都が水辺に親しむために岸辺が緩やかな護岸整備が進め、11年に完成した。それを受けて、江東区が新たに設置したのが、旧中川・川の駅だ。
江東区は東西を隅田川と荒川に挟まれ、南北に小名木川、東京湾を臨む。そのため区立中学校や町内会にカヌー部があるほどウォータースポーツが盛んだ。
「川には水陸両用バス、和船、カヌーが走ります。小名木川から一回りすれば、スカイツリーのたもとまで行けます」(山崎孝明区長)
旧中川には、23区だけでなく、都内初もある。水陸両用車両が利用するためのスロープ(入水口)も設けられた。このスロープを使って、日の丸自動車興業が水陸両用バス「スカイダック」を運航する。水陸両用バスは、陸上から水辺に入るための入水口が必要で、こうした施設が都内にはなかった。
16日は江東区民限定だったが、17日からは一般観光客を対象として、同社が東京スカイツリーや亀戸梅屋敷などを回るツアーを開始する。
旧中川のテープカットに立った同社の富田浩安社長は「水陸両用バスを利用して、たいへん成功している街がある。ボストンの名物は水陸両用バスで、何10台もが観光の目玉として走っている。この地域の活性化に大きく貢献できると考えている」と、あいさつ。水陸両用バス定期運航の効果を力強く語った。