スペーシア、N BOXと真っ向勝負へ…過熱するプチバン市場の行方

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スズキの新型軽自動車『スペーシア』のカットモデル
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背高・スライドドア採用のコンパクトカー、“プチバン”市場に新たな有力車種が登場した。スズキが2月26日に発表した『スペーシア』だ。

スズキが3月15日より発売するスペーシアは、女性ドライバーを中心に需要が拡大するプチバン市場に向け、「広くて便利、軽くて低燃費の軽ハイトワゴン」をコンセプトに開発された。

室内長2215mm、後席両側スライドドアや低いステップ高、軽自動車初となるワンアクションパワースライドドアを採用したほか、シートアレンジや荷室スペースにも配慮したという。

スズキの次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」の採用により29.0km/リットル(JC08モード)を実現。全機種をエコカー減税の免税対象車とし、価格は122万8500円から153万5100円としている。

■2012年に国内自動車市場を席巻したプチバン

ホンダ『N BOX』の登場で、大きく盛り上がったプチバン市場。軽自動車市場に限れば、スズキ、ダイハツの2強にホンダが加わり三つ巴状態で、2013年も活況が見込まれる。

スペーシアをきっかけとしたスズキの巻き返しにかける意気込みは熱を帯びている。鈴木修会長兼社長は2月26日都内で開いたスペーシア発表会で一部報道陣に対し、「危機感があるから良い商品が生まれる。飽くなき探求心、これが必要」とコメント。2012年に落としたシェアを2013年には取り返すとしている。

■生活密着型のクルマ…プチバン

プチバンが2012年、一気に市民権を得たのには、これまでの自動車に対するニーズを振り返る必要がある。1997年の登場以来、約15年にも及ぶ取り組みのなかで、HV市場の覇権を握ったといっても過言ではないトヨタ『プリウス』。HVの一般化により低燃費ニーズに拍車がかかり、技術面での競争も加速した。

一般に、軽自動車や小型車で低燃費化を進めるのは、サイズが大きいクルマ以上に難しいと言われるが、各メーカーの取り組みにより近年、低燃費化は瞬く間に進み、『アクア』はJC08モードで33.0km/リットル~という数字をたたき出した。

ダイハツ『ミライース』やスズキ『ワゴンR』の軽自動車での燃費競争も極めて厳しい戦いとなっていた。そうしたなか登場したのがプチバンだ。燃費だけでなく、スライドドアや車高の高さなど、バランスを追求した生活密着型車両は、クルマを生活ツールとして活用する一般ユーザーに受け入れられた。

■プチバンを細分化すると…

『N-ONE』に代表される新世代軽自動車の存在は、登録車と軽自動車の垣根を低くする一因になっている。プチバン該当車両は、この垣根を超えて存在している。

トヨタの『ポルテ/スペイド』は、背高、スライドドア、小型車というプチバン要件を満たす車両。登録車であるため、家族5人が乗車できるスペース面での利便性が高い。開口幅1020mm×開口高1250mmの大開口ワイヤレス電動スライドドアを助手席側に標準装備。300mmと低いフロア地上高と段差のないフラットなフロア(2WD)により、乗降性が高く、室内長2160mm×室内高1380mmの空間を確保している。

パワーユニットは、1.3リットル1NR-FEエンジンと、1.5リットル1NZ-FEエンジンを採用。全車Super CVT-iと組み合わせている。アイドリングストップ機能をオプション設定し、1.5リットル 2WDアイドリングストップ機能付車は、走行燃費20.6km/リットル(JC08モード)を達成した。価格はいずれも145万円から191万円。

プチバン最大級の室内空間をもつのがホンダ『フリードスパイク』。後席はフロア方向に畳むダイブダウン方式を採用し荷室長は最大2015mm。1列目席が最後端位置でも1775mm。幅も1010~1225mmあり、大人が寝ることも出来る。HVやパワースライドドアの採用など、改良が継続的に加えられている。

スズキ『ソリオ』もプチバンに該当する。ソリオは、2WDのアイドリングストップシステム搭載車を除く全グレードに低粘度のCVTオイルを採用した。CVT内のフリクションを低減し、20.6km/リットルを確保している。ボディサイズは、3710mm×1620mm×1765mm(全長×全幅×全高)。ソリオXが150万9900円。

軽自動車プチバンとしてはスペーシア、N BOXのほかダイハツの主力車種『タント』も分類される。タントは「G」「G“Special”」「X“Limited”」「X」にパワースライドドアを採用する。3395×1475×1750mm(全長×全幅×全高)で2WDはJC08モードで25.0km/リットル。

日産の軽『ルークス』もプチバン。アイドリングストップシステム搭載グレードを設定するなどのバランス化を実現している。これにより燃費は22.2km/リットル(JC08モード)。全グレードにチャイルドシート用アンカーと乗降グリップ(左右)を標準装備するなど、生活密着車両プチバンとして、独自の変化を遂げている。

■2013年もプチバンの攻勢は続くか?

燃費に偏りがちであったニーズ一が分散し、従来より二段、三段高い次元でバランスすることが生活ツールとしてのクルマに求められている。それらを象徴するのがプチバンであり、特にファミリーカー需要にマッチしつつある。

今後はスバル「アイサイト」に代表される安全技術へのユーザー意識傾倒とそれに伴う機能拡充がトレンドとなる可能性がある。今年度、トヨタ、日産、ホンダがそろって先進安全技術を披露するメディア向けイベントを開催したのは、安全技術へのユーザー意識の高まりを、各社が感じ始めていることに起因しているともみることができる。
《レスポンス編集部》

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