【ベントレー ミュルザンヌ 試乗】威風堂々のデザインと重厚な加速感…松下宏

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ベントレー・ミュルザンヌ
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超高級車ベントレーのラインナップの中でも『ミュルザンヌ』は最上級モデルに位置する。

ボディはとにかく大きい。全長5575mm×全幅1925mm×全高1530mmで、ホイールベースは実に3270mmという数字だ。

メッシュのグリルや丸形ヘッドランプ、“フライングB”など、ベントレーの伝統を表現した外観デザインは正に威風堂々である。

超高級車であるだけでなく、これだけ大きいと取り回しには神経を使う。FR車なのでタイヤの切れ角が比較的大きく、小回り性能はそれほど悪くはないが、それでも十分なスペースがあるところでないと取り回せない。

搭載エンジンはV型8気筒の6.75リッター。ベントレーは現在、フォルクスワーゲンのグループにあり、W型12気筒エンジンを搭載したモデルもラインナップされているが、やはりロールスロイス由来のV型8気筒エンジンの方がベントレーらしく感じさせる部分がある。

1020N・mのトルクをわずか1750回転で発生するV8は、2710kgに達する超重量級のボディを力強く押し出していく。この重厚感のある加速こそがベントレーのものだ。

加速が力強いだけに制動も慎重にかける必要がある。重量に見合ったストッピングパワーを持つブレーキを備えているが、ミュルザンヌの重量×速度のエネルギーをゼロにするには一定の距離も必要だ。

インテリアは豪華な雰囲気に満ちあふれている。木目や本革などの自然素材が豪華さを表現するが、その木目パネルも木目模様が左右対照になるようにはられていて、並の高級車とは違うクルマであることが感じられる。

柔らかな感触の本革シートも快適性、ホールド性とも上々だ。後席に座っても、広さや快適性は極めて高いレベルにある。

試乗車はローンチパックのオプションが装着されていて、約3650万円の仕様になっていた。一般的にはオーナーが後席に座り、専属運転手が運転するクルマだが、これだけの性能や運転席回りの装備を、オーナー自らが使わないのは何とも惜しい。運転できるオーナーなら積極的に運転したら良いと思った。

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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