5時間経過時にはトップにも立ったトヨタのハイブリッドカー『TS030』7号車だったが、中嶋がドライブ中にこともあろうか本山哲の日産『デルタウィング』にヒットしてしまった。
デルタウィングをリタイアに追い込んでしまったものの、トヨタはリヤ・ウィング周りの交換だけで済んだ。しかし、ここから流れは一気に悪い方へと傾いた。
中嶋組はピットストップを繰り返し、ついには深夜1時37分にエンジン・トラブルでリタイヤを表明。8号車を先にアクシデントで失っていたトヨタのハイブリッド・デビュー・レースは終わった。
一方、序盤にアクシデントに見舞われたアウディの3号車『R18 ウルトラ』は16時間を過ぎて、とうとう4位まで巻き返してきた。これでアウディは4台のマシンで1位から4位までを固める完璧なフォーメーションを完成させた。
トヨタがノーマル・エンジンを供給しているレベリオン・レーシングのローラが5位、6位でアウディに続いている。
明け方に壊れる車が多いとされるル・マンだが、今年はどうやら深夜までで勝負が決してしまった感が強い。最大のライバルであったトヨタTS030が消えては、アウディが総合優勝を逃すことはもはや考えられないからだ。今後の焦点は、どのチームがアウディ勢に迫ることができるか、アウディは1-2-3-4フィニッシュを見事達成できるか、に絞られた。