マクラーレン代表のマーティン・ウィットマーシュは、フェラーリとレッドブルがカナダGPで1ストップ作戦を仕掛けてきたことに驚かされたと語った。フェラーリの場合は最後までこの戦略に固執したことがアロンソ5位転落の原因となり、マクラーレンはルイス・ハミルトンが2ストップ作戦を成功させて優勝をさらっている。
ハミルトンは、レース残り6周の時点でリードに立ち、ベッテル(レッドブル)は土壇場で2度目のピットストップを決断、限界を超えたタイヤでの逃げ切りに賭けたアロンソ(フェラーリ)は次々に後続のライバルに抜かれて5位までポジションを落としてフィニッシュした。
勝ったチームのウィットマーシュが誇らしげに語る。
「正直な気持ちを言わせてもらうと、フェラーリとレッドブルの選択は、リスクばかりが大きくてメリットは少なかったと思う。時にはああいう賭けに出なければならないこともあるだろうが、この場合は期待値が小さい割りにリスクが不釣合いに大きかった。もちろん私としてはライバルチームが計算を間違えてくれて嬉しいし、わがチームの巧みなレース運びも自慢したいところだ」
「ルイスは、この厄介極まるタイヤを見事なまでに使いこなしたと思う。レースの流れを見てもらえば、彼がスピードをセーブしながら上手にフェルナンドを制していたことがわかると思うし、仮にチームが『ガンガン行け』と指示していたなら、パープル(ファステストラップ表示)も可能だったと思う。ペースコントロールはルイスが最も得意とするレーススキルだからね」