【ジープ ラングラー 試乗】オフロードを本気で楽しみたい人だけに…松下宏

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ジープ・ラングラー
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『MB』以来のジープの伝統を受け継ぐのが『ラングラー』で、現行の6代目モデルは2007年3月に発売され、このモデルから2ドアの幌タイプのほかに5ドアのアンリミテッドも設定した。

2011年12月に発売された2012年モデルでは、搭載エンジンをV型6気筒3.8リットルから新世代のV型6気筒3.6リットルへと変更し、5速ATとの組み合わせを採用している。

外観デザインはこれぞジープといったイメージ。いかにもヘビーデューティなオフロード4WDらしいデザインである。内装も同様で、大きなスイッチ類や4WD切り替え用のトランスファーレバーなどが本格派であることを主張している。昔からのジープが好きな人は内外装のデザインを見ただけで完全にはまってしまうのだろう。

搭載エンジンは3.6リットルに排気量ダウンしたが、パワー&トルクは209kW/347N・mを発生する。従来の3.8リットルに比べるとパワーは40パーセント、トルクは10パーセント向上している。新型の5速ATと組み合わされたことで、走りの滑らかさと燃費効率も向上した。

エンジンはどちらかというと高回転型で、2トンを超える重量級のボディを持つアンリミテッド向きとはいえない部分もあるが、排気量の余裕とそれによる絶対的なトルク、さらにはスムーズな回転の上昇によってまずまず不満のない走りを実現する。

きびきびした走りではなく、全体にゆったりした感じの走行感覚を持つクルマで、それがいかにもジープらしい印象を与える。

ラングラーを街乗り用に買うのは余り意味がないが、都内のオンロードでも普通に走らせることができた。走行中の室内騒音なども意外なくらいに静かなクルマだった。

サハラには偏平率は70パーセントの18インチタイヤが装着されている。18インチと聞くと硬めの乗り心地を連想しそうだが、70パーセント偏平のタイヤなのでオンロードでの乗り心地は悪くない。

乗り心地は決して良いとはいえないものの、ストローク感のあるしっかりした足回りと合わせて、街乗りでもそれほど不満は感じなかった。

ラングラーの中でもアンリミテッドは、ボディは大きいしホイールベースも長い。最小回転半径は実に7メートルを超える。なので、普通の人が普通に使うクルマとしてはとても勧められない。クルマをオフロードに持ち出して本気で楽しみたい人や、相当な悪路を走る機会が多い人に、限定的に勧められるクルマである。

《松下宏》

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