F1中国GP、15日の決勝は、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)がポールポジションからスタートして優勝。F1参戦111戦目の事だった。メルセデスとしての優勝は、1955年イタリアGP以来のこととなった。
最初のピットストップ直後に、前輪が緩んだためミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)がリタイアしたことは、彼らの祝日を幾分曇らせはしたが、ロズベルグがフィニッシュラインを越える頃にはすでにチーム全員に笑顔が戻っていた。
メルセデスAMG「W03」がタイヤに厳しいという定評を覆したことも大きな収穫だ。実際には、上海の低温にも助けられロズベルグは13周目と34周目の2度のストップを経て、一度もペースを崩すことはなかった。
マクラーレンの2台はいずれも3ストッパーだったが、スタートが6位と7位からなのでトップとのギャップを詰めるべく終始苦しい戦いを強いられた。バトンはスタートを上手に決めて序盤に3位を占めてから、11、24、39周目にピットに入り、終盤はロズベルグより5周分新しいタイヤでメルセデスAMGを脅かす存在だった。ところが、最終ピットストップでリヤナットが外れないトラブルが発生し、ここでタイムを落とした彼は、再び密集集団の中に取り込まれてしまった。
4位はウェーバー(レッドブル)。2ストッパー勢の中でロズベルグに次ぐ成果を挙げたベッテル(レッドブル)は、11位からスタートして5位でフィニッシュ。その約1秒後方で6位フィニッシュしたグロージャン(ロータス)も2ストッパーで、スタートは10番グリッドからだった。ウィリアムズの2台もタイヤを上手に温存し、ブルーノ・セナが7位、パストール・マルドナドが8位とダブル入賞を果たしている。
フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は9番手からスタートして9位でフィニッシュという結末だが、43周目にマルドナドのオーバーテイク失敗で11番手に落ちる失敗がなければ、もう少し上位のフィニッシュも可能だったかもしれない。アロンソはこの後ポジションを2つ取り戻したが、ドライバーズタイトルの首位はハミルトンとバトンのマクラーレン・デュオに明け渡した。
惜しかったのは小林可夢偉(ザウバー)だ。スタートの失敗でグリッド3位という優勢を序盤で7位まで落とし、最終順位は10位、1ポイントに甘んじている。3ストップを選択したことも遅れの原因だが、この日のザウバーはストラテジーに失敗したと言える。可夢偉はレース中のファステストタイムを記録していたのだから……。