【池原照雄の単眼複眼】“第3のエコカー”も免税に…新・エコカー減税スタート

自動車 ビジネス 国内マーケット
新エコカー減税で100%減税(重量税は5月登録分から)モデルとなるダイハツ・ミライース
  • 新エコカー減税で100%減税(重量税は5月登録分から)モデルとなるダイハツ・ミライース
  • スズキ・アルトエコ
  • マツダ・デミオ13-SKYACTIV

◆ハードルを上げ、3年間延長

新年度に入り、自動車の税制が刷新された。2009年度から3年間実施された「エコカー減税」は、対象となる車のハードルを上げることで、引き続き14年度まで3年間延長される。また、購入翌年の自動車税が軽減される「自動車グリーン税制」も内容を見直して2年間延長された。

新たなエコカー減税は、2015年度燃費基準に対するJC-08モードでの測定燃費の達成度を基本に減税や免税措置が講じられる。新旧制度の大きな相違点は、旧制度では75%減税が最高だったガソリン車も、新制度では免税の対象になり得ることだ。いわゆる“第3のエコカー”には、追い風となる。

新しい制度での減・免税ルールは、次のようになっている。

次世代自動車
EV、PHV、クリーンディーゼル車など:免税
ガソリン車およびHV
15年度燃費基準に対するJC-08燃費
+20%達成:免税
+10%達成:75%減税
達成:50%減税


◆重量税は本則税率適用で減税額拡大

減・免税となるのは新車購入時の自動車取得税と自動車重量税であり、重量税については5月からこのルールが適用される。さらに重量税は減・免税の対象になる場合、登録乗用車で車両重量0.5t当たり年2500円という本則税率(現行は同5000円)が適用されるので、軽減幅は旧制度より大きい。

上記の表はJC-08モードに基づくもので、同モードによる燃費審査を受けていない在来車については、2010年度燃費基準に対する10・15モード燃費での達成度(+25%、+38%、+50%の3段階)に応じて減・免税措置が決まる。

一方、07年夏から測定が始まったJC-08と従来の10・15モードの両方の燃費測定値があるクルマは、JC-08が優先される。このため、旧制度では減税の対象になっていたクルマでも15年度燃費基準はクリアできていないケースもあり、その場合は減税ゼロとなる。ここが、新制度のややこしいところだ。


◆4月と5月で減・免税額が異なるケースも

また、取得税(4月実施)と重量税(5月実施)の適用時期が異なるのも、消費者には混乱の原因になりそうで、販売店とよく相談した方がよい。例えば、新制度ではガソリン車でもダイハツの『ミライース』や「SKAYACTIV」エンジンを搭載したマツダ『デミオ』の一部車種など、燃費性能が極めて良い“第3のエコカー”は免税となる。

ただし、4月に購入すると、取得税は免税、重量税は75%減税であり、重量税の免税は5月からとなる。5月以降、重量税が免税になるクルマは3年後の車検時にも同税が半分に軽減されるので、5月以降の購入の方が、より減税額は大きくなる。

日本自動車工業会の統計によると、旧エコカー減税は11年度に販売された新車(トラックなど除く)のうち、81%に適用された。新制度では、ガソリン車の一部も新たに免税の対象となるものの、「全体としてはハードルが高まるため、対象車の比率は低下する見込み」(自工会)という。もっとも、自動車各社は旧制度の時のように、対象車種を広げるための燃費性能改善を図るだろうから、その比率は徐々に高まっていくことになろう。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集