タジマモーターコーポレーションの田嶋伸博社長は27日、都内で会見し今年7月に米コロラド州で開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦する電気自動車の概要を明らかにした。
田嶋氏は同レースで7回総合優勝し、前回は9分51秒278の世界記録をマークしたが、今大会は初めて電気自動車での参戦となる。田嶋氏は「重量が非常に厳しいので、これまでのスチールフレームをアルミに変えたほか、ボディカウルからステアリングホイールまですべてカーボンファイバーで造ることで重量低減」するとともに、「現在ダイエット中」で自らも軽量化に貢献するという。
車体デザインは「やはり速いクルマは格好良いと、お子さんに夢を抱いてもらえるようにした。その中で空気抵抗を下げようということで前の方の空気の流れをリアウイングの後ろまでもっていくという、空気抵抗とダウンフォースを得るように考えて造った」と説明。
また「パーワートレインは、もともとツインエンジンで成功したただ一人といわれているので、今回もツインモーター方式をとった。ブレーキは電気自動車の独特である回生ブレーキをフルに効かせようということで、機械式のブレーキは極力使わないで走ることに大きな重きを置いた」としている。
さらに「(従来の参加車両は)ジェット機が飛んで来るような爆音で走ったが、電気自動車は全く音がしない上、トルクがあるので速い。観客や動物に何とかして存在感を知らせる警告音を出さないと怖くて走れない」と指摘し、「平面波を活用して車を来たことを知らせる」機能を備えることも明らかにした。
ただ田嶋氏は「1秒1分も争って車を進化させたいということで、実はまだ開発途中。追ってウェブサイトで逐次情報を提供していきたい」として、レース車両そのもののは披露せず、イラストでの概要説明となった。