ホンダ、埼玉県の知事公用車に水素燃料電池車両を提供

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実証実験開始を前に開所式に臨む。右から山本芳春氏(ホンダ常務執行役員)、南川秀樹氏(環境省環境事務次官)、上田清司氏(埼玉県知事)、檀原雅氏(岩谷産業社長)。
  • 実証実験開始を前に開所式に臨む。右から山本芳春氏(ホンダ常務執行役員)、南川秀樹氏(環境省環境事務次官)、上田清司氏(埼玉県知事)、檀原雅氏(岩谷産業社長)。
  • FCXクラリティを前に挨拶をするホンダ・山本芳春常務。
  • 水素ステーションを前に期待を語る上田清司埼玉県知事。

ホンダの燃料電池電気車『FCXクラリティ』が埼玉県知事の公用車として使われることになった。27日、ホンダが埼玉県に無償提供。埼玉県は今後2年にわたって知事公用車として使う。

また、燃料電池電気車で世界初となる同車の外部電源機能を利用して、イベント展示などで次世代環境車のPRを行う予定。同車の外部電源は、一般家庭使用量の6日分(最大出力9kW)の外部出力を作り出すことが可能だ。

さらに、ホンダは埼玉県庁敷地内の「ソーラー水素ステーション」の設置にも協力。車両提供のこの日、あわせて水素ステーションの開所式も行われた。

県庁内に設置された水素ステーションは、ホンダの研究開発子会社ホンダR&Dアメリカズ(所在地:米国 カリフォルニア州)の研究所内に設置されたステーションに改良を加えたもの。同地では200kg以上の水素生成の実績がある。

埼玉県庁の水素ステーションは同社の敷地外に設置される世界初の事例となる。

水素ステーションは雨よけの屋根に設置された太陽光パネルによる太陽光発電と商用電源を引き込んでいるが、基本的には太陽光発電による稼働。FCXクラリテイィと組み合わせて、ゼロエミッションの循環ができる。知事公用車走行におけるCO2の発生はゼロだ。

「洗濯機と同じくらいの大きさ」(4輪R&Dセンター・守谷隆史上席研究員)の高圧水素電解ユニットから作り出される水素は8時間で約0.5kg。この生成量はFCXクラリティが約50km走行できる量だ。同車は満充填で620kmの走行が可能だ。

今後、ホンダは実走による使い方やデータなどを集約し、燃料電池電気車とそのシステムのさらなる品質向上に役立てる。

《中島みなみ》

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