KDDIは、Mobile IT Asia(東京ビックサイト:3月14日〜16日)で、UI(ユーザインタフェース)をテーマに出展、最新のAR(拡張現実)技術として、スマートフォン向けARブラウザ「サッチビューワー(SATCH VIEWER)」のデモを実施した。
サッチビューワーは、KDDIが提供するARブランド「SATCH」に対応したARコンテンツを体験できるアプリケーション。今回の展示では、スマートフォンをかざすと、雑誌に載っているアイテムがARとして現れ、アイテムをクリックすることで、ECサイトで購入できるといったサービスが紹介された。
KDDIの担当者は「現在公開されているのはプロトタイプ版で、6月頃には完全版が登場する予定です。通販や雑誌などと連携して、スマートフォンをかざして気に入ったアイテムを購入できるサービスや、年賀状など手紙にビデオメッセージを添付するといったサービスなどを検討しています」。
「このサッチビューワーをダウンロードすることで、誰でも手作りのARを作ることができますし、開発者向けのSDKも、これまで利用するのに100万円とか200万円を超える金額が発生したのですが、KDDIが無償で提供しますので、“どんどんARを盛り上げていきましょうよ”というのが今回の提案となります」と説明。
サッチビューワーは、SDKの無料公開で企業の参入障壁を低くしたことと、一般ユーザーにおいてもスマートフォンの端末上で簡単にARの情報を埋め込める、といったことがこのサービスの特徴となる。
今回の出展について、同担当者は「KDDIとしては12月に発表しましたARブランド“SATCH”を推し進めようということで、ITの分野となりますが、自動車産業と関連性の高いものとして紹介いたしました」と語る。
自動車の分野におけるARの活用としては、ARナビゲーションといったサービスも考えられるが、同担当者は、ARに限らずコンテンツビジネスに関しては「一緒にやってくれるところ(企業)が必要になるのと、どれだけ企業や利用者の理解を得られるかが重要になる」との考えを示した。
また、同担当者は「位置情報を使ったARについては、開発をする側としては、いろいろなアイデアやサービスが考えられるのですが、あくまでそのサービスがユーザーにとっていいものなのか、まだまだ調査を進めていかなければならない部分がありますので、いろんな方の意見を伺ってユーザー目線で、ARの活用を推し進めていきたいと思っています」と述べた。