BASFジャパン、エンジニアリングプラスチック研究センターを開設

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スマート フォービジョン(東京モーターショー11)
  • スマート フォービジョン(東京モーターショー11)
  • BASFのウルトラミッドストラクチャーエンジニアリングプラスチックが使われたオールプラスチックホイールリム
  • スマート フォービジョン(東京モーターショー11)
  • スマート フォービジョン(フランクフルトモーターショー11)
  • BASF本社パフォーマンスポリマープレジデントのウルフガング・ハプケ氏
  • BASF

BASFジャパンは、2012年1月にエンジニアリングプラスチックに特化した研究設備として「エンジニアリングプラスチック・イノベーションセンター(EPIC)」を横浜市緑区のジャーマンインダストリーパーク内に新設した。

BASFの戦略は大きく4つの注力分野で分けられる。ひとつは成長地域でのポジショニングで、アジアでのプレゼンス拡大だ。そして、ポートフォリオの最適化として、「利益性の低いエンジニアリングプラスチック部門の売却や閉鎖、および、独創的なソリューションの買収や提携を通じて、常に同部門のポートフォリオの最適化を行っています」と語るのはBASF本社パフォーマンスポリマープレジデントのウルフガング・ハプケ氏。

3つめはイノベーションで、高機能材料の開発で、例えばエンジニアリングプラスチックを用いたエンジンマウントやトルクロッドなどがある。そして最後は戦略的提携で、ハプケ氏はダイムラー社との提携で実現したスマート『フォービジョン』をその例として挙げる。

スマートフォービジョンは、昨年のフランクフルトモーターショーに出品され、東京モーターショーでも公開されたコンセプトカーで、電気自動車の未来を見据えて、未来志向のデザインの中に、エネルギー効率、軽量設計、温度管理に関連する様々な技術を搭載したモデルである。

ハプケ氏は「(BASFとダイムラーの)両社でWIN-WINの関係が生まれるような提携戦略を追求しています。ダイムラー社との提携においては、スマートに関するノウハウと、弊社が持っている素材とシステムに関するノウハウが掛け合わさり実現したモデルです」という。

様々な部品の多くはエンジニアリングプラスチックに置き換えられている。「それによって、重量を大幅に削減しています」とし、最も優れた例として、「オールプラスチックホイールリムです。BASFのウルトラミッドストラクチャーエンジニアリングプラスチックが使われ製造されました」とし、この非常に大きな負荷に耐えうる素材によって、今後、さらに金属パーツが置き換えられ、それによって軽量化が進むと期待されているものだと話す。

BASFジャパンの福原宏記氏も「世界初の樹脂製ホイールです。このターゲットは軽量化で、4輪合わせてアルミニウムに比べ12kgの軽量化が可能となり、それにより電気自動車の航続距離延長に寄与できる新しいアプリケーションなのです」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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