気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年3月2日付
●日本の空「格安」時代、生き残り競争激しく「ピーチ」就航夏さらに2社(読売・3面)
●トヨタ定昇維持へ(読売・12面)
●復活GM、欧州攻め、仏プジョーと資本提携合意、共同開発で新型車(朝日・8面)
●日航、機内食「吉牛」で対抗(毎日・7面)
●TPP交渉、苦しい日本(産経・2面)
●2月新車販売29.5%増、軽は過去最高(産経・10面)
●首都高「距離別」1月分、収入4%増・台数4%減(東京・3面)
●ヤフー新社長宮坂氏 ネット業界変化に対応(東京・7面)
●日産、50万円車、新ブランド「ダットサン」新興国別に開発、14年販売、機能絞る(日経・1面)
●来年から中国生産、トヨタ、HV基幹部品(日経・11面)
●部品共通化で投資半減、トヨタ副社長、競争力向上へ4年内に(日経・11面)
●テスラ、新たな車台開発、EVの生産能力上積み(日経・13面)
●インド新車販売スズキが6%増、2月、新モデル好調(日経・13面)
●タイヤ大手、為替の影響拡大、アジアなど海外販売伸びる(日経・17面)
ひとくちコメント
日産自動車が、車両価格をタイ産の小型車『マーチ』の半値程度の約50万円に抑えた、新興国向けの戦略車を投入するという。きょうの日経が1面のトップニュースで報じている。
それによると、「ニッサン」「インフィニティ」に続く3番目のブランドとなる専用ブランド「ダットサン」を復活させて、安全性を確保したうえで、車内静音性などの機能を割り切って、部品や素材の性能を最低限に抑え、低コスト販売網を整備する。
新興国市場の多様性に対応して、同じ車種を複数市場に投入するのではなく、それぞれの市場に合わせた開発を行うなどの新たな手法を採り入れて、装備や機能、サービスを絞り込み、2年後の2014年にもまずインドとロシア、インドネシアで生産・販売を開始する計画のようだ。
インドとインドネシア向けでは、9割以上の部品を現地調達。ロシア向けは仏ルノーと共同買収するアフトワズの車台を使って800cc前後の小型車を投入し、生産もアフトワズの工場で行う見通しという。
新興国向けでは、すでに韓国・ヒュンダイが44万円、中国・奇瑞が40万円、インド・タタが25万円などと、50万円を下回る低価格車を投入しており、価格面ではそれほどインパクトはないが、品質面で優位性のある日系メーカーではトヨタ(80万円)、ホンダ(64万円)よりも安く設定したのが勝負どころとみられる。