ぶつからない車の実力は?…ボルボ S60 で北海道760kmを走破

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ボルボS60で冬の北海道を走破
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「ぶつからない?」のキャッチコピーが印象的な、自動ブレーキシステムと進化型クルーズコントーロール機能の低価格化が進み、普及の時期を迎えているようだ。

レーダーやカメラを使い、障害物を検知し自動にブレーキをかけるシステムと前車との車間を一定にして追従してくれるクルーズコントロール機能が、ここにきて低価格化が進んでいる。

スバルではオプション価格15万円、輸入車であるボルボも25万円といった価格設定をしてきた。実際に、同システムを用意するボルボ『S60』と『V60』での装着率は70%、スバル『インプレッサ』でも全体としては44.4%ではあるが、オプション設定があるモデルのなかでは84.9%と高い装着率となっている。

「万が一の時の安心感に加えて、前車追従機能付きクルーズコントロールがついてきますので、日常的にシステムの恩恵を感じることができ、満足感の高い装備であると感じられているようです」(スバル関係者)

「このような装備を実際に装着することで確実に事故を減らすことが出来ます。ただ、値段が高くてはお客様は安全性向上に効果があると思って装着しないと思います。私たちはお客様が買いたいと思う価格が“いくらなのか”を検討し、その結果25万円という価格にしました」(ボルボ関係者)と、関係者は話す。

◆冬の北海道760kmを走破

今回、ボルボ『S60』で冬の北海道760kmを走破、主に進化型クルーズコントロールの快適性を体感してみた。ボルボのシステムは、レーダーとカメラを組み合わせているのが特徴で、「シティセーフティ」「ヒューマンセーフティ」の機能をセットにした、「セーフティーパッケージ」として25万円で提供されている。

試乗車の運転は筆者と編集部宮崎がおおよそ半分ずつ担当した。北海道滞在1日目は旭川空港から網走に向けて走り、市街地や高速道路で積極的にクルーズコントロールを使用して走行してみた。滞在2日目は、それぞれの運転スタイルで、網走から屈斜路湖を経由して旭川空港を目指した。

試乗前のレクチャーでは、「レーダー部やカメラに雪が積もるとシステムは使えなくなるので、その場合はメーターに表示が出ます」としていたが、1月24日の天候は、曇りがちで降雪もあったが、吹雪になるようなことはなかった。24日と25日は両日シビアコンディションでなかったので、途中システムが使えなくなるようなことはなかった。

◆使いやすくなったクルーズコントロール

まず、機能を使うためのユーザーインターフェースを見てみると、V60のクルーズコントロール機能は、ステアリングの左側にスイッチが用意され、機能を開始させるスイッチ、速度設定のためのスイッチ、前車との距離を調節するスイッチ、リスタートスイッチといった構成で並べられている。

これまでのレバー式のクルーズコントロールスイッチを知る人であれば、分かりやすく使いやすいものと感じるに違いない。また、システムの動作状況は、メーター内に設置された液晶画面に、速度設定、前車を認識していることを示すマーク、前車との車間距離が表示され、確認することができる。

◆凍結路面でもスムーズに加速、停止

ボルボの全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールでは、速度が30km/h以下となっても作動を続け、前車のブレーキにあわせて停止までしてくれる。これまでも、レーダーで前車を追従するクルーズコントロールは存在したが、低速域では機能がキャンセルされてしまうのがほとんど。ボルボのシステムでは、渋滞時における低速走行や、信号待ちが存在する一般幹線道路においてもクルーズコントロールを使うことも可能だ。

今回の試乗では、市街地においても積極的にクルーズコントロールを使用してみた。試乗車は当然スタッドレスタイヤを装着しているのだが、試乗の当日は、路面には雪や凍結路面が存在し、凍結路面ではいとも簡単にABSが作動してしまい、発進加速においてもタイヤが簡単に空転してしまうといった路面状況。

前車追従モードのまま赤信号での停止から発進加速まで、システム任せにしてみたが、ブレーキングではABSを作動させることもなく自然に停止、発進加速においてもタイヤを空転させることなく自然な加速をする。不安感もなく自動運転を体験しているような気分であった。

◆気をつけなければならないのは?

旭川から網走方面へ向かう高速道路では、ほぼ全域でクルーズコントロールで走行することができた。クルーズコントロールを一旦設定したら前車追従のための操作は特に必要なく、例えば、速度80km/hの設定で走行している場合、前方に70km/hで走る車が現れると自動的に速度を調節して前車追従を開始、前車が車線変更や出口に向かうと、再び80km/hで走り続ける。

クルーズコントロールがあるだけでも疲労感が違うと思われるが、前車追従モードがあることでさらに安心感が付け加わったと言える。

ただし、カメラやレーダーで前車を認識できる領域には限界がある。今回走行したコースは、緩やかなカーブと勾配で構成されていたので前車を見失うということはなかったが、首都高にあるような割と急なカーブなどでは前車を見失ってしまう。

例えば、60km/hで走る前車と前車追従モードで急なカーブに侵入し、途中で前車を見失った場合、自車の速度設定が80km/hであると、前車を見失ったとたん80km/hへ向かって加速を開始するので、注意が必要だ。

◆クルマまかせでもなかなかの燃費

燃費を報告しておくと、滞在1日目は、旭川空港から高速道路を使い網走へ向かった、途中サロマ湖周辺を巡り、網走到着時の平均燃費計の値は15.4km/リットル。途中の燃費最高値としては平均燃費計の値で16km/リットルを記録した。

2日目は、おのおののドライビングスタイルで走行し、筆者は昨日に引き続いてクルーズコントロールにお任せの運転、宮崎氏は機械に頼らない運転をしていた。網走から屈斜路湖、屈斜路湖から再び旭川空港を目指した。旭川空港到着時の最終的な走行距離は759km、平均燃費計の数字は14.7km/リットルであった。

今回試乗したV60は、2WDの「DRIVe」グレード、1.6リットルの4気筒直噴ターボに6速のデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせたモデル。カタログ燃費は12.8km/リットル(JC08モード)なので、凍結路や雪の積もっている路面であったことをふまえても、好燃費といえる。

旅のほとんどが、信号のない道路をひたすら一定速度で走っていたので燃費が良くなる方向ではあるが、クルーズコントロールを使っている方が燃費は良好な方向に向かう印象であった。

◆ハイブリッドに次ぐクルマの魅力となるか

760kmを走破してみて、進化型クルーズコントロールシステムが、長距離移動における疲労軽減につながることを実感、自分の欲しい車に設定があれば迷わず選択するアイテムといえる。とはいえ“無理は禁物”長距離移動では十分な休憩が必要であるのはシステムがあっても変わりはない。

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