東風日産の広州販売店、あの手この手でユーザーを獲得

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東風日産広利専営店
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  • 東風日産広利専営店 郭小龍総経理
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中国・広州市にある東風日産の販売店では、朝早くから多くのお客が詰めかける。10時ともなれば、商談席は埋まり、手続きをする窓口では列ができるほど。なかにはポケットから大量の札束を出す人も見かける。

「今年1~11月の販売台数は2088台で、前年に比べて15%も増えています」と東風日産広利専営店の郭小龍総経理は話す。中国の自動車市場は昨年に比べて一ケタ成長と伸び率が鈍化しているが、同店には全く関係のないようだ。むしろ成長が鈍化するほど、お客の目が厳しくなり、同店に集中しているのかも知れない。

その背景には東風日産が製造する車の品質がいいと中国人に見られていることもあるが、同店がユーザーを獲得するためにさまざまな試みを行っていることも大きいといえる。「当店では、車を渡すときはフェイス・トゥ・フェイスを基本にし、納車式の際にはお客様と車の写真を撮り、お守りを渡しています。また、来店者には交通費も支給しているんです」と郭総経理は説明する。その交通費は上限50元。広州市内だと、タクシーで約20km走れる距離だそうだ。もちろん、冷やかし客は対象外だ。

そのほか、アフターサービスを閉店3時間後の午後9時まで対応したり、急ぐ人のために快速メンテナンスというメニューを用意。さらには走行中にガス欠になった際、ガソリンを24時間市内のどこにでも無料で配達をおこなったり、酒を飲んで運転できなくなった人のために、代行サービスも無料で行っている。その対象はいうまでもなく、同店で車を購入した人で、代行サービスについては保険加入者に限っており、年間3回までとのことだ。

このように、日本ではなかなか思いつかないサービスを展開する東風日産広利専営店。次から次へとやってくるお客を見る限り、その勢いはこれからも止まることはなさそうだ。

《山田清志》

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