植物由来原料のリチウムイオン二次電池負極材 クレハとクラレが共同事業化へ

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クレハとクラレは、リチウムイオン二次電池の負極材「ハードカーボン」を共同事業化することで合意した。負極材として植物由来原料を使用した「バイオカーボトロン」を共同事業化する。

来春を目処にクレハと伊藤忠商事の合弁による電池材料事業会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(KBMJ)にクラレが資本参加し、人材も投入する。

また、KBMJとクラレグループのクラレケミカルは合弁会社を新設し、2013年には年産1000トンレベルで新しい負極材を量産する。

クレハとクラレは、リチウムイオン二次電池負極材としてハードカーボンの共同開発を進めてきたが、植物由来原料の開発品「バイオカーボトロン」を共同事業化する。

クレハのピッチ系ハードカーボン「カーボトロンP」は、充放電特性や耐久性が評価され、産業用や車載用大型リチウムイオン二次電池用途などに活用されている。クラレは、活性炭事業を通じて得てきた炭素材に関するノウハウをベースに、新しい負極材の開発に取り組んできた。新しい材料の開発に目処が立ったことから、成長分野であるリチウムイオン二次電池部材市場での事業拡大を図る。

今後、KBMJはクラレの経営参加により、新商品開発能力や安定供給体制を強化し、コストパフォーマンスを追求する。

ハイブリッド車用・電気自動車用に加え、定置用、スマートコミュニティ、家庭用など、リチウムイオン電池市場は今後、急速な拡大が見込まれており、負極材の需要量は現在の年間数1000トンから、10年後には年間10万トン以上に達すると見ている。

クレハ、クラレ、伊藤忠は、ハードカーボンのラインアップ充実と安定した供給・販売体制を通じて負極材分野で競争力の高い製品を供給していく構え。

《レスポンス編集部》

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