昭和電工は7日、昨年12月に発表した中期経営計画「ペガサス」(2011~15年)の進捗状況について会見を行った。その中で、市川秀夫社長は12年12月期の営業利益目標620億円を「下方修正せざるを得ない」と述べた。
初年度の11年12月期については、東日本大震災や電力制限、台風被害、タイでの洪水などによるサプライチェーンの寸断があったものの、目標としていた営業利益450億円を達成する見通し。しかし、2年目の12年12月期は「計画を策定した時の前提条件である為替レート1ドル=90円と比べて、現在は77円レベル」(市川社長)ということから、目標を見直す方向だ。
「当社は主力の黒鉛電極やHDD(ハードディスク駆動装置)向けディスクのドル建て輸出比率が高いため、1円の円高で約9億円、営業利益段階で影響を受ける。13円の円高だから約120億円の減益要因になる」と市川社長は説明する。
そこで、同社はBRICs諸国を加えVIP(ヴェトナム、インドネシア、フィリピン)諸国を重視する経営を行うなどして、円高対応力の強化を図りながら、継続的なコストダウンを行って、120億円の減益分をできるだけカバーしていく方針だ。