三菱自動車は9日、東京モーターショー2011で、SUVタイプのプラグインハイブリッド車(PHV)コンセプト『PX-MiEV II』を世界初公開すると発表した。大容量のバッテリーを搭載し、電力とモーターによる駆動のみで50kmを走行することが可能だ。
PX-MiEV II は、2009年の東京モーターショーで公開されたSUV型PHVコンセプトの進化版。電気自動車(EV)『i-MiEV』などで培った電動技術をもとにしたプラグインハイブリッドシステムを搭載する。
走行速度に応じて、バッテリーの電力のみで駆動する「EV走行モード」、エンジンを始動させモーターとバッテリーに電力を供給する「シリーズ走行モード」、高速時などに高効率なエンジンの動力を利用する「パラレル走行モード」の3モードを自動的に選択、最適な制御をおこなう。
前後に1つずつ、計2つのモーターを搭載し、それぞれが前2輪、後2輪を駆動する「ツインモーター式4WD」を採用。レスポンスの良いモーターを利用し、きめ細かい制御をおこなうことで駆動ロスを低減、運動性能を高めるだけでなく低燃費にも貢献する。
大型SUVである特徴を活かし大容量のバッテリーを搭載することで、モーターによる駆動のみで50km走行することが可能。三菱は「日常のほとんどのシーンでEVとして利用することが可能」と説明する。ガソリンエンジンと組み合わせた複合燃費は60km/リットルを実現、最大で800km程度の航続を可能とする。
バッテリーに蓄えられた電力は、車内のコンセントを介して電気製品の利用や、非常時の電源供給などに利用することができる。また、家庭への電力供給(V2H)にも対応する。