アメリカ国内で予定されているバックカメラの装着義務化に向け、パナソニックは180度の視野角を実現したバックカメラを開発し、OEMで車両への搭載を勧めている。ITS世界会議展示会場内ではそのメリットを掲げ、具体的な利用例を紹介している。
パナソニックによれば、バックカメラの義務化はアメリカ国内では本年末までに法制化される見込みで、準備段階を経て2015年頃にはすべてに新車に対して装着義務が必要になる可能性が高いという。その内容は、高さ80cmのポールを3m幅で後方6mまでに立てた6本すべてを視認できなければならないというもの。一般的なバックカメラは画角が130度程度にとどまり、車両に一番近いポールが見えなくなる可能性が高い。
また、アメリカ国内では、大半の人が前から突っ込む形で駐車する。そのため、駐車枠から出るにバックで出なければならず、その際の事故が後を絶たないのだという。パナソニックはそんな状況にいち早く対応してきたというわけである。
カメラ仕様は180度レンズ対応となっているものの、そのままでは“魚眼レンズ”的に周囲の歪みが大きい状態になってしまい、バックカメラとしては不適当だ。そこで、映像処理技術によって映像に修正を加え、違和感を感じない自然な表示で映し出せるようにしたのだ。
この試作機でポイントになるのは、その映像処理のソフトウェアまでをカメラ側に収めていることだ。カーナビなどとの接続はケーブル1本だけとなり、幅広い車種に対応可能となり、優れた取り付け性も併せ持つことになった。搭載車種はホンダ『オデッセイ』など。