トヨタ伊地知専務、円高対応「自分の城は自分で守る」

自動車 ビジネス 企業動向
ジャカルタモーターショー、トヨタの プレスカンファレンス
  • ジャカルタモーターショー、トヨタの プレスカンファレンス
  • トヨタ・アベンシス

トヨタ自動車の伊地知隆彦取締役専務役員は2日の決算発表の席上、過去最高値レベルの円高に関連して「政府と日銀としては、お上に甘えるのでなく、(産業界は)自分たちで円高に対応しなさいというメッセージかと思っている」と述べた。

そのうえで「われわれの先輩が“自分の城は自分で守れ”と言ったように、社内でも(円高対応を)しっかりやろうと取り組んでいる」と語った。政府や金融当局への要望を聞かれての発言だが、円高是正への当局の動きが緩慢なことに、皮肉を交えたように聞こえた。

さらに伊地知専務は「円高との闘いは、われわれの宿命と理解しているが、為替変動のスピードがこれだけ速いと輸出企業は本当にしんどい。当社の連結業績は黒字だが、単独営業利益が今期3700億円の赤字になる見込みからも、(日本での生産は)限界を超えていることを示している」と指摘した。

一方で、「サプライヤーさんを含め、日本の自動車産業の技術力はまだ抜きん出ている。日本でのモノづくりを守るため、原価低減のタネをもっと広く探すなど粛々と取り組んで生きたい」と、自らに言い聞かせるように語った。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集