東大、太平洋にレアアース資源を発見

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太平洋におけるレアアース資源泥の分布(表層2 m)と平均総レアアース含有量
  • 太平洋におけるレアアース資源泥の分布(表層2 m)と平均総レアアース含有量
  • 高濃度レアアース資源泥の推定分布海域と推定資源量
  • 2004 年 – 2011 年にかけてのレアアース価格の変動
  • レアアース資源泥の深度分布(< 50 m)と総レアアース含有量
  • 代表的なコア試料のレアアース資源泥の深度分布と総レアアース含有量

東京大学工学系研究科の加藤泰浩准教授らは7月4日、南東太平洋や中央太平洋に、見た目は普通の泥だが、高品位のレアアースを含有した「レアアース資源泥」が膨大な量分布していることを発見したと発表した。

従来、海底鉱物資源は、熱水性硫化物鉱床、マンガンクラスト鉱床、マンガンノジュール鉱床の3種類が知られていたが、今回レアアースを豊富に含有した全く新しいタイプの第4の海底鉱物資源が発見された。

このレアアース資源泥はレアアース含有量が高く、資源量が陸上埋蔵量の約1000倍と膨大で、加えて探査が容易なこと、開発の障害となるウランやトリウムなどの放射性元素の含有量が少ないことなどが特長。また、レアアースの回収が薄い酸で容易に抽出可能なため、極めて容易で「夢のような海底鉱物資源」だ。

レアアース資源は、ハイブリッドカーや電気自動車、携帯端末など、ハイテク製品に欠かせない資源だが、主要産出国の中国が輸出を規制していることから価格が急騰しているが、今回発見したレアアース資源を有効活用できれば、資源問題を解決に導く可能性がある画期的な研究成果となる。

研究成果は英国科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に7月4日から掲載されている。

《レスポンス編集部》

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