【BMW 6シリーズ 試乗】目が肥えたオトナのための真性高級スペシャリティ…西川淳

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6シリーズクーペ
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クルマのデキは相当にいい。何せ、最新乗用車のほとんど模範生ともいうべき『5シリーズ』がベースである。5シリーズの上質なライドフィールはそのままに、スポーティな味つけを小気味良く加えた。絶妙のスパイス扱い。

オープンからの登場となったが、そのキャラはクーペでも変わらないはず。オススメは「630i」。ノーズが軽く、動きがとても自然でバランスがとれている。
 
オープンカーは、やっぱりソフトトップに限る。クローズドで走っても“ソフト”だとは全く思わない。窓とリアウィンドウだけを下げて走る”カリフォルニアモード)も気分がいい。

ただ、旧型登場時に比べると、スペシャリティカーとしてのインパクトには欠けたのも事実。クロスオーバー系は強烈だが、セダン派生系は割と地味というのが、最近のBMWのトレンドだ。5シリーズでは、それがかえって良かった。デビュー時には視覚的に心の昂揚などまるでなかったのに、今さらしみじみと気が引かれてしまう。改めて見入れば“なかなかいい身体のセンしているじゃない”とさえ思えてくるから、勝手なもんである。6シリーズも、恐らく、そう思うようになるだろうけれど……。

浮つかない/人目を気にしない、というのはスペシャリティカーとして矛盾するキャラのように思えるけれども、そういうオトナのための真性高級スペシャリティがあってもいいと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

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