ドライブレコーダーを活用した診断サービスで安全運転スキルを計測する

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三井住友海上火災保険 運転ドック の診断結果画面 5項目がレーダーチャートで表示される
  • 三井住友海上火災保険 運転ドック の診断結果画面 5項目がレーダーチャートで表示される
  • 三井住友海上火災保険 運転ドック の診断結果画面 5項目の採点と運転アドバイスが表示される
  • 三井住友海上火災保険 運転ドック の診断結果画面
  • 三井住友海上火災保険 運転ドック の診断結果画面 「ヒヤリハット」の可能性になりそうな場面の映像を記録
  • 三井住友海上火災保険 運転ドック の診断結果画面 「ヒヤリハット」の可能性になりそうな場面の映像を記録
  • 運転ドックに使用するドライブレコーダー本体
  • 運転ドックのドライブレコーダー設置イメージ
  • 診断ソフトウェア

三井住友海上火災保険(以下三井住友海上)が提供している「運転ドック」は加速度センサー内蔵のドライブレコーダーを活用した安全運転診断サービスだ。

運転ドックは、三井住友海上の一部代理店で利用することができる。診断料は無料だ。

診断方法は、運転ドック専用のドライブレコーダーを設置した車両を30分程度運転し、ドライブレコーダーに入っていたSDカードから代理店に設置されている診断用PCにデータを移して診断してもらうだけ。

運転診断は、「加速の安定性」「減速の安定性」「コーナリングの安定性」「ハンドル操作の安定性」「ECO傾向度(走行時の加減速の安定性)」の5項目とこれらの総合評価で示される。AからCの3段階評価や点数だけでなく、「注意すべき事故形態」やそれぞれの項目の寸評も表示されるという詳細なものだ。

記者も自身の車両にドライブレコーダーを設置して都内の一般道を30分ほど走ってみた。自分なりにスムーズで安全な運転は常日頃から心がけており、ここ数年は無事故無違反でゴールド免許というのも自慢のひとつだが…、結果はいかに。

◆ヒヤリハットの可能性を抽出

診断は氏名・車両の排気量・車重など必要事項を登録してもらい(基本的に営業スタッフがPCを操作して登録)、SDカードのデータを読み込ませる。

診断結果は、100点中67点で総合評価B、順位は101人中の54位で、当初の自信は見事に打ち砕かれた。特に点数が低かったのは「加速の安定性」の項目で20点中の11点に留まり、「注意すべき事故形態」でも「追突・出会い頭事故」と指摘されてしまった。かなり慎重に走ったつもりだったが、この運転診断で80点以上・上位10位以内に食い込むのは至難の業だ。

三井住友海上の自動車保険部営推チームの阪口健太氏は「ドライブレコーダーは当社の特注の仕様で、市販されているドラレコよりも機能は絞っていますが、3軸の加速度センサーの記録から分析した運転診断はかなり綿密におこなっています」と説明する。数百人の運転結果データベースを元に採点基準を定めているため、診断の妥当性については念入りに検討したという。

◆参考になるコメントと振り返り映像

面白いのはやはりコメントの部分で、総合評価では「急な運転操作の原因として、あせりやいそぎ、安全不確認があるかもしれません。運転に余裕を持ち、確実に安全確認を行うよう心掛けましょう」というアドバイスが記されていた。

また、診断ソフト上では「運転中の気になるデータ検出箇所」として急加速・急減速・急ハンドルを記録した部分をそれぞれ2箇所抽出し、映像再生させる機能もある。自分としては危険な箇所などなかったように思えたドライブでも、映像として見返してみると、確かに「曲がった先に自転車が飛び出してきていたら…」と思う場面もあった。

また診断ソフトには「危険映像集」として実際の事故映像も収録されており、改めて危険運転の恐ろしさを痛感する。このような詳細な運転診断は職業ドライバー向けには提供されていることが多いが、一般ドライバーはなかなか利用する機会がない。自身の運転を見直すきっかけとしてもドライブレコーダーは有用だ。

◆運転診断iPhoneアプリも登場

三井住友海上には3万以上の代理店があるが、運転ドックを導入しているのはこのうち700店とのこと。無料とはいえ代理店の営業スタッフの立ち会いや診断の手間などもかかる。もっと手軽に運転診断を試したいというのなら、iPhone向けにデータ・テックが提供している「Safety Rec」(600円)というアプリがある。

このアプリもドライブレコーダーと運転診断機能を持つもので、アドバイス機能はないが「スムーズ」「ハンドル」「ブレーキ」「右左折」「停止」の5項目による評価を備える。また、GPSを内蔵したスマートフォンならではのものとして、地図上にルートを表示し危険挙動箇所の映像を地図上から探せる機能もある。これらの運転記録系アプリは、単に旅の記録を残すだけではなく自身の運転を見直すきっかけにもなりそうだ。

《北島友和》

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